研究課題
代表的腫瘍マーカーであるAFP(Alpha-feto protein)には3つの分画(L1,L2,L3)があり、成人の肝細胞癌ではL3分画が特異的に高値を示す。採血検体からL3分画を簡易的に測定できるシステムが1990年代後半に確立されたが、この診断システムは分析方法の限界によりL2とL3分画を分離して測定できないため、測定値にはL2値を含む。小児期においては生理的にL2分画が新生児期~幼児期には高いこと、小児固形悪性腫瘍としてはL2分画が高いとされる卵黄嚢癌、L3分画が高いとされる肝芽腫があることなどより、このシステムではL3分画が高値と測定されても生理的高値なのか、卵黄嚢腫瘍成分を反映しているのか、肝腫瘍成分を反映しているのか区別できない。本研究では免疫学的手法、質量分析法などを用いてL2分画をL3より分離して測定することを可能にし、非侵襲的新規簡易診断システムの開発を行うことを目的とする。研究材料として小児固形悪性腫瘍患者150例 (被験者群) 、および良性疾患患者・術後経過観察中の児100例 (対照群) の血清検体、組織検体を対象とした。Con Aレクチンを用いた免疫電気泳動法によるL2分画の分離、定量化により得られたデータより新生児期・乳児期における生理的L2分画の基準値設定を行った。さらに糖鎖抗原に対するモノクローナル抗体の作製とECLIA法によるL2分画測定ならびに、病理組織学的解析、質量分析法による精製糖鎖%L2の測定を行い、データの整合性を検討した。将来的には検査機器システムの製作へ進める予定である。
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