研究課題/領域番号 |
16K11348
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三好 きな 九州大学, 医学研究院, 助教 (20621709)
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研究分担者 |
伊崎 智子 九州大学, 大学病院, 講師 (90423491)
宮田 潤子 (秋吉潤子) 九州大学, 大学病院, 助教 (20380412)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (30710975)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヒルシュスプルング病類縁疾患 / 原因遺伝子 |
研究実績の概要 |
ヒルシュスプルング病類縁疾患では疾患毎に治療方針が異なるが、新生児期に高度のイレウス症状を呈するIsolated hypoganglionosisの場合、治療・診断目的で検体が採取されることが多い。一方CIIPでは徐々に慢性的なイレウス症状が増悪する症例が多く、また治療方針として外科的介入を行わないことが長期予後を良好にするといわれており、研究検体の確保が難しかった。 当教室で診断・管理されているヒルシュスプルング病類縁疾患のうち、病理組織検体および病歴が保管されている症例はIsolated hypoganglionosis 6例、CIIP 3例、Acquired hypoganglionosis 2例であった。それらのHE染色と免疫組織化学染色法において、抗CD56抗体で染色される5mm当たりの神経叢の面積の和は、Isolated hypoganglionosisでは小さく、CIIPとAcquired hypoganglionosisでは有意差がないことを確認した。抗S100 protein抗体 の局在も神経組織全般であり同様の結果であった。抗HuC/D抗体は神経節細胞を染色し、5mm当たりの神経節細胞の数はhypoganglionosisで少なかった。抗Bcl-2抗体も神経細胞を染色するが、染色強度が一様ではないことの意義が不明であり評価が困難であった。抗αSMA抗体で腸管の筋層を染色したが、組織検体処理、プレパラート作成の際の技術的な差が大きく影響し、少ない検体数で同条件で評価できる状況ではなく評価不可能であった。 またヒルシュスプルング病類縁疾患は新生児期から発症する疾患であるため、国際学会や国内学会において、新生児期にイレウスを呈する疾患についての見聞を広めた。
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