研究課題/領域番号 |
16K11350
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山田 耕嗣 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (80528042)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
山田 和歌 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (20457659)
川野 孝文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (40457651)
加治 建 鹿児島大学, 附属病院, 特任教授 (50315420)
植村 宗則 九州大学, ARO次世代医療センター, 特任助教 (50636157)
中目 和彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70448570)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80468024)
大西 峻 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (10614638)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / 腹腔鏡手術 / 3D |
研究実績の概要 |
本研究では、体躯変形の著しい重症心身障害患者に対し腹腔鏡下手術を計画する際に、事前に腹腔内容積を計算して腹腔鏡ポートレイアウトを決定するシステムの開発を目標としている。本研究計画では以下のように段階的に研究を進める方針としている。 1.変形モデルでの実験として、Ⅰ:術者操作領域の測定、Ⅱ:体表形状測定システムの確立、Ⅲ:システム統合/モデルの検証 2.臨床例での計測として、Ⅰ:術者操作領域の測定、Ⅱ:体表形状測定 3.臨床例での検証として、Ⅰ:臨床応用、Ⅱ:システム改良 これらの結果をもとに、ポートレイアウトシステムの開発を行う。 本年は引き続き患者体表データの収集と、蓄積した患者体表の3Dデータと予め撮影した腹部CT画像との統合処理を行った。まず患者体表データを画像処理することで、気腹前と気腹後における腹部体表のボリュームデータを計算した。これらのデータを差し引くことで、気腹によって得られた腹部ボリュームの変化分を計算した。次に腹部CT画像から、各臓器別に腹腔内臓器の3Dボリュームデータを作成した。これらのデータに気腹による臓器変形の効果を加えることで、気腹下における臓器の形状をシミュレーションすることが出来た。上記体表データ並びに腹腔内臓器データを統合することで、気腹時の腹腔内ボリュームデータのシミュレーション画像を作成した。 作成したシミュレーション画像に、鉗子の挿入を想定したポイントを作成し、同位置から腹腔内を観察した場合の視野の展開を確認することが出来た。これにより、任意の位置に鉗子口を作成した場合の鉗子の到達し得る範囲を表示し、仮想的な腹腔鏡下手術のイメージを作成することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記研究により、仮想的腹腔鏡下手術のイメージを作成することが出来た。このシステムは低侵襲かついままでに無い画期的なツールに成りうると考えられる。 上記研究経過を、2018年4月に米国において開催された国際小児内視鏡外科グループ定期学術集会において報告した。
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今後の研究の推進方策 |
術者の鉗子操作領域の測定を行い、3Dデータとして構築する。 患者体表の、腹部以外の部分の3Dデータを収集し、患者体表面からみた鉗子操作範囲のシミュレーションを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
機材の無償貸与による提供を受けることが出来たため。 次年度の機材購入に充てることとする。
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