従来、腫瘍血管新生は腫瘍周囲の既存血管からおこり、腫瘍血管内皮細胞は正常な血管内皮細胞に由来するとされた。しかし、本実験においてCD133陽性肝芽腫幹細胞からの腫瘍血管内皮細胞の分化が示唆された。 フローサイトメトリーを用いて肝芽腫幹細胞を同定し、side population分画細胞を免疫不全マウスに移植した。形成された腫瘍組織を用いスフェア形成実験を行った。スフェアを3次元培養すると、一部のスフェアからはCD133陽性のチューブ様構造の形成がみられた。細胞間を直接結合する細胞膜ナノチューブはがん微小環境において重要な役割を担う。肝芽腫細胞間における細胞膜ナノチューブの構造について調べた。
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