研究課題
先天性消化管閉塞性疾患の患者検討のため分子を絞り込む目的で好酸球増多症候群(HES)関連好酸球性胃腸炎(EGE)と診断された2症例(1例はHESは疑い)について検討した。骨髄細胞の保存があり、これらの症例は家族歴や遺伝的素因が強いことから関連分子を見つけ易いと考えた。2名のRNAシーケンスを施行した。現在、解析中である。またHES関連EGEとして相談のあった剖検検体のパラフィン切片から全ゲノム解析を行う準備を行った。倫理審査が長引き研究期間内で解析ができなかったが、検体入手後に核酸を抽出して将来的な解析のため保存する予定である。加えてこれまでの生検検体のパラフィン切片での同様の検討を考え市販の組織を使って検討を行っている。また新たに三次元マイクロファイバーシステムを用いた新しい細胞分離法の検討を行った(東京大学工学部 高井まどか博士との共同研究で同研究室にて施行)。白血病微小残存病変を解析する方法として検討してきており、これまでより少数の細胞を高純度で分離できる可能性が高く、将来的に消化管組織からの血球分離を行える可能性があり本研究の中でも検討した。今回の研究ではまず前段階として好酸球性細胞株EoL-1(対照はCD49dノックダウン細胞)を用いて検討を行い、CD49dを標的として分離できる可能性が見いだされた。さらに神経細胞株PC12に対する好酸球の神経細胞傷害性の検討についてはこれまでフローサイトメーターを用いた方法で好酸球による細胞傷害性を検討していたが、既報から神経細胞では形態学的な変化をみることも重要であることから、フローサイトメーターを用いず、好酸球の組織傷害性を標的細胞の形態変化と残存接着細胞数で判定する系をまず腸管上皮細胞株Coca-2で確立した。
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