研究課題/領域番号 |
16K11360
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成島 三長 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80431873)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 軸索輸送 / 神経 / 再生 |
研究実績の概要 |
平成28 年度は生きたイカおよびマウスを用いて、巨大軸索クランプおよびクランプ解除・再疎通後の神経再結合を模した機能回復過程と軸索輸送変化を直視下に電気生理学的手法・蛍光イメージングを用いて形態学的・電気生理学的に軸索機能観察実験を行った。さら巨大軸索に対し様々な細胞融合技術を用いた軸索融合の予備実験を開始した。
平成28 年度において軸索clamp 後の回復可能なclamp 解除時間とclamp 解除後の機能回復までの時間とを計測し、機能回復のための最適な実験系を検討した。具体的には活イカを水温調節の可能な専用水槽内にて低温状態で鎮静し、神経ブロックによる半身麻酔を行った後、巨大軸索の直視下に剥離同定し、マイクロクリップにて直接圧迫を行った。圧迫後数分では、直視下には断裂はなく回復するよう見られたが、クリップによるclamp部周囲に白色物質が出現しており、カルシウムの流入を招いたことによるものの可能性があり、今後の検討が必要であった。しかしこの白色物質は時間経過とともに消退していた。この顕微鏡下での観察のみならず、この回避可能なタイミングでの圧迫解除による軸索機能回復過程を、EMG 法を用いた電気生理学的手法にて検討を開始した。 さらに、ミトコンドリアGFPマウスを用いて、軸索輸送を観察する実験を二光子顕微鏡下に開始。正常な状態でのミトコンドリアの軸索内輸送を観察し、軸索輸送速度の検討と、軸索切断直後および軸索切断後再接着後1週間、切断後断端同士にギャップを作成した状態などについて、コントロールデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東京大学形成外科より三重大学形成外科へ異動となり、新たな研究環境を整えるのに時間を要するため。
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今後の研究の推進方策 |
研究経過における、問題点はなく、三重大学形成外科へ、イカ水槽を移動させ 環境を整えた上で遅れを取り戻すべく、研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
三重大学への異動のため
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度に行う予定であった予備実験を今年度に回して行う。
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