平成30年度から令和1年度において、動物実験施設にてGFPマウスの使用申請許可を得たのち、GFPマウスの繁殖から始め、マウスの使用が可能になったところで、神経融合実験のための基礎実験(コントロール)を開始した。power labを用いた神経刺激装置の調整および、cat walkの作成を行った。また2019年8月にはPEGを用いた神経再生研究者であり、形成外科医で Associate Prof. Harvey W.M. Chim(the University of Florida College of Medicine)が当科へ来訪し、神経融合法に関する実際的な実験手法についてdiscussionと今後の共同研究について検討を行った。本年度はイカの飼育実験の環境を整えることが難しかったため、マウスを用いた軸索融合の実験にシフトし、初期実験を行うことが可能となった。近年特にPEGによる臨床研究も報告されているため、これらについても検討を行う必要がある。PEG法(化学的融合法)(J Neurosci Methods. (2019)Int J Mol Sci. 2019 M 24;20(6))以外のHVJ法(センダイウィルスエンベロープ法)に加えてelectrofusion法(電気融合法)についても追加して今後研究を続けていく予定である。ウィルスベクターを用いた融合方法については、センダイウィルスのほかヘルペスウィルスやコロナウィルスについても検討し、さらにリポソームによる架橋についてもその有用性を今後検証していく。 なお令和2年4月に第63回日本形成外科学会総会および2020年6月に第22回日本口腔顎顔面外傷学会総会にて報告する予定であったが、コロナウィルスによる影響で延期となっている。
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