研究課題/領域番号 |
16K11363
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨田 興一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90423178)
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研究分担者 |
細川 亙 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20181498)
西林 章光 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00647133) [辞退]
金澤 成行 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (50506243)
峯岸 芳樹 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (10467566)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 末梢神経再生 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
本年度は細胞の分離、培養および動物モデル作成を行った。 近交系ラットの皮下脂肪を採取し、コラゲナーゼ処理を行うことで脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASC)を含む細胞群を抽出し、その後接着培養を行った。その後細胞免疫染色、および細胞表面マーカ解析により培養細胞群においてCD29、CD90、CD44陽性、CD45陰性であるASCの割合を検討し、細胞の質検討を行った。 次に、ラット坐骨神経切断モデルを作成した。以下の4群の作成を行った。すなわち、①神経切断後、即時再建を行いフィブリン固定を行った群、②神経切断後、即時再建を行い、さらに1箇所あたり60万個のASCを損傷部へ移植し、フィブリンにて細胞の固定を行った群、③坐骨神経へ挫滅損傷を加え、フィブリンを投与した群、および④坐骨神経の露出のみを行い、フィブリン投与を行った群、をそれぞれ作成した。術後、2週間毎にラットを専用のトラック上で歩行させることで足跡分析を施行している。足跡の計測からSciatic Functional Index (SFI)を算出し、術後運動機能の質的な回復をモニターしている。SFIは坐骨神経損傷群において、術直後はほぼ完全麻痺の値を示したが、その後、術後4-6週ごろより徐々に回復を認めている。現時点では各群のn数が十分でないことから有意差を認めるには至っていないものの、今後各群の数を増やし、さらに検討を行っていく予定である。さらに、術後12週目には逆行性神経トレーサーを用いた過誤支配の程度の評価も行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞の抽出、培養、質評価に予想よりも多くの時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで作成した動物モデルを引き続き解析していくとともに、各群のn数を当初の予定よりも増やすことでマイクロ手術手技による誤差を減少させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞の調整に予想よりも時間を要したために、作成できた動物モデルの数が当初計画していた数よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に残りの動物モデル作成を行う予定であり、今年度の残金はその費用に充てる予定である。
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