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2017 年度 実施状況報告書

多血小板血漿と脂肪由来幹細胞を利用した新しい乳房再建法確立の試み

研究課題

研究課題/領域番号 16K11367
研究機関鳥取大学

研究代表者

八木 俊路朗  鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (00378192)

研究分担者 福岡 晃平  鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (40548781)
久留 一郎  鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60211504)
陶山 淑子  鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90448192)
森川 久未  鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90707217) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード脂肪幹細胞 / 多血小板血漿 / 乳房再建 / 虚血
研究実績の概要

ラットから心臓採血により得たPRP (platelet rich plasma)をADSC (脂肪幹細胞)培養液に添加することでADSCの増殖、分化に与える影響を調べた。細胞増殖に関してはPRPを培養皿に直接添加すると、細胞数の計測が正確にできないため、PRPではなく、目的の濃度となるようPRPを5%FCSを含む培地(DMEM)で希釈後37℃で24時間インキュベート後、血小板成分を遠心で除去して得られた上清を血小板抽出液として用いた。
ラットの正常血液中と同様のPLT数を含む血小板抽出液をX1液とし、X2液、X3液、X 0.5液、X 0.1液、血小板抽出液(-)と5群間で細胞増殖に与える影響を比較した。血小板抽出液(-)に比べ優位に増殖を認めたのはX 0.1液で、X1とX2液では著しく増殖抑制が認められた。特にX2液群ではほとんどのADSCが死滅していた。
以上の結果から、少なくともin vitroの環境下ではADSCに対し血小板抽出液の添加には、至適濃度が存在するであろうことが示唆された。
ADSC培養上清にPRPを添加後の細胞の形態を顕微鏡下で観察したところ、形態的変化を認めたため免疫染色を試みた。
抗体には血管内皮細胞への分化の指標となるvWF (フォン・ウィルブランドファクター)抗体を用いた。その結果、特に形態変化を顕著に認める領域で染色ボジティブの結果を得た。
以上よりPRPがADSCを血管内皮細胞へと誘導する可能性が強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

In vitroの実験であるため、まずPRP精製段階での純度を上げる必要がると考え、たの血液成分をできるだけ除去する精製法を工夫した。
主として、PRPの血管新生に対する影響を研究する目的で、ADSC (脂肪幹細胞)を用いた。
村結果、ADSCの増殖、分化誘導能力の可能性を示唆する結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

PRP中に含まれる、いわゆるサイトカインカクテルがADSCの増殖、分化に影響し、血管新生を促進する可能性が示唆された反面、その至適濃度の存在も重要な要因であろうと考えられた。in vitroでの至適濃度の研究と培養上清中に添加した結果起こるADSC上に発現するタンパク質の解析、培養上清中に放出されるサイトカイン、ケモカイン等の解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

PRP添加により移植した脂肪が思わぬ繊維化を起こしたことにより、PRPの至適添加濃度を調べる実験を追加した。そのため研究計画自体の遅延が生じ、学会参加等の旅費や、謝金を予算通りに使用できなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Analysis of Fat Grafts for Stabilizing Microvascular Pedicle Geometry in Head and Neck Reconstruction2017

    • 著者名/発表者名
      Shunjiro Yagi, Yoshiko Suyama, Kohei Fukuoka, Maki Morita, Miki Kambe, Kazuhiro Toriyama, Yuzuru Kamei
    • 雑誌名

      Journal of Reconstructive Microsurgery Open

      巻: 2 ページ: e140-e144

    • DOI

      https://doi.org/ 10.1055/s-0037-1608671.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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