研究分担者 |
福岡 晃平 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (40548781)
久留 一郎 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60211504)
陶山 淑子 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90448192)
森川 久未 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90707217) [辞退]
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研究実績の概要 |
血管新生,血管修復に関する効果が期待されているPRPを移植した脂肪組織およびADSCsに混合付加すれば,血管新生を誘導し,移植した脂肪組織の萎縮を予防できるのではないかと予想し,試験管内および生体内での検討を行った. 前年度から行っていた研究内容を踏襲し,ラットの心臓採血から多血小板血漿(PRP)を作製し,脂肪幹細胞(ADSC)に体積比別(0%, 1%, 5%, 10%)のPRPを添加して細胞増殖へ与える効果を検討した.はじめにセルカウンターを用いて培地交換当日から1~5日目のデータを採取したが,3日目から細胞がコンフルエント状態となり正確な計測ができなかったため,体積比別(0%, 5%, 10%)にPRPを添加したADSCに対し,吸光度法を利用して細胞増殖の程度を調べた.その結果,10%PRP添加群で有意に細胞増殖能を持ち,これが至適濃度と考えられた.また,コンフルエントな単層培養のウェル内にひっかき傷をつけ,その領域が細胞の遊走や増殖により埋められていく様子を観察するCell scratch assayを行い細胞の遊走能と局在性を確認することができたが,一方で細胞密度はコントロール群と比較して差が出ない結果となった.次に下肢虚血モデルマウス(BALB/c-nu/nu, 雄, 8週齢)へのADSCおよびPRPの単独投与,ADSCとPRPの併用投与がそれぞれレーザードップラー血流計による血流改善度に与える影響を比較した.投与から4週間後までの追跡を行うと,我々の当初の予想と反して,ADSCとPRPの併用投与よりもADSC単独投与にて顕著に血流改善を認めることが分かった. 今後の課題として,至適濃度の更なる詳細な分析や生体内における条件の追加の検討が必要と考えられた.
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