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2018 年度 実績報告書

病態解明を目指したリンパ浮腫における慢性炎症メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K11368
研究機関岡山大学

研究代表者

木股 敬裕  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50392345)

研究分担者 海野 直樹  浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (20291958)
杉山 成史  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80379776) [辞退]
越宗 靖二郎  岡山大学, 大学病院, 医員 (60600559) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリンパ浮腫 / 慢性炎症 / mRNA / 線維化
研究実績の概要

リンパ浮腫患者(乳癌や子宮癌術後の続発性リンパ浮腫患者で外科治療を行う患者を対象)に対して、手術の際の切開創の辺縁から3mm 幅程度の皮膚皮下組織を採取する。原発性リンパ浮腫はその病態が続発性とは異なると予想されるため、本研究からは除外した。コントロールとして、廃棄されるような余剰皮膚が出る手術(皮弁移植、良性腫瘍切除等のdog ear 修正など)において健常皮膚皮下組織の採取を行った。採取した組織は一部を凍結切片として組織学的解析に使用した。残りの組織の一部(3mm 角程度)をRNA 保存液に浸漬し、後の遺伝子発現解析用に保存し、解析に利用した。
凍結切片は術前にICGリンパ管造影検査を前例の患者で行われているため、ICGが組織内にも貯留しており、まず、ICGの局在をしらべることでうっ滞の主座を確認した。その結果は真皮内と脂肪組織内に主にICGの貯留を認め、炎症が真皮と脂肪組織を中心に起こる可能性が考えられた。
次に遺伝子解析を行った。mRNAを抽出後にcDNA合成を行い、上記所見から炎症マーカーであるIL-6、真皮の構成要素であるコラーゲンタイプI、脂肪や肥満の指標となるアディポネクチンの発現を相対的に比較するためにreal-timePCRで測定を行った。リンパ浮腫患者組織皮膚と健常者皮膚のmRNAを網羅的RNsequence解析を行い、差が生じる遺伝子の検索も平行して行った。
RNsequenceの結果では、IL-6やコラーゲンTypeⅣは有意に上昇し、アディポネクチンの発現は減少していた。これは、臨床所見と合致する結果であった。しかし、real time PCRではそれぞれの遺伝子発現の定量が一定せず、サンプルごとで異なる傾向をしめした。患者の浮腫の程度により、発現が異なるか、他の要素が関係してくる可能性が考えられた。

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公開日: 2019-12-27  

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