研究課題/領域番号 |
16K11372
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鳥山 和宏 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40314017)
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研究分担者 |
内堀 貴文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (30625760)
立野 一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50311642)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 微小血管 / 吻合部血栓 / 感染 / 緑膿菌 |
研究実績の概要 |
遊離皮弁移植術は、微小血管吻合手技の向上と周術期管理の工夫により成功率が95%以上となっている。しかし、吻合部周囲または遠隔部に感染が起こると血栓を形成して不成功となることが知れれているが、その機序については検討されていない。本研究では、ラットの大腿動静脈に血管吻合を行い、同時に細菌を吻合部周囲および遠隔部に播種すると血栓ができるか検討し、その機序を明らかにする。平成28年度は、吸入ガスによる全身麻酔で鼡径部に切開して、大腿動静脈を露出して、血管吻合を行った。1週間後に開創すると開存率が約80であった。そこで、ラットの大腿動静脈は血管径が細く精度の高い縫合(成功率ほぼ100%)が困難であると考え、血管の全周の吻合の代わに、半周に切開を入れて半周吻合するモデルに変更して、開存率ほぼ100%となった。また、1週間後の開創だけでは、術後数日の様子が観察できないために、下腹壁皮弁を挙上して皮弁の生着面積をday0, 1, 3, 5, 7と写真に撮り、画像解析ソフトを用いて算出すつことにした。 また、吻合部周囲および遠隔部に感染を起こす細菌については、実際に臨床経験した患者に近い細菌株を、薬剤耐性・ムコイド産生能・エキソトキシンA産生能から選定中である。さらに、細菌暴露実験について、院内の動物実験施設の認可を取得して、他科の実験のスケジュールを調整中である。また、選定した緑膿菌をラットに投与して菌血症を起こす投与量と局所感染を成立させる投与量を検討する準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
動物実験を進めるに当たり、ラットの血管が細く、それに応じて顕微鏡の手配に時間がかかった。また、実験を行っていく研究員も不足していた。次年度に補充する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新たに研究者を一人加えて動物実験を行っていく。動物モデルは、ラットの下腹壁皮弁を挙上して、皮弁栄養血管の近位部の大腿動静脈で半周性吻合するタイプを使用する。同時に、緑膿菌の種類と投与量を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
血管吻合の様式の検討・経過観察のための皮弁の採用・緑膿菌の選別に時間がかかり、ラットの使用件数が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した金額でラットを使用した実験を継続する
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