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2019 年度 実績報告書

細菌感染による吻合部血栓形成:機序の解明と対策

研究課題

研究課題/領域番号 16K11372
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

鳥山 和宏  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40314017)

研究分担者 内堀 貴文  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30625760)
立野 一郎  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50311642)
佐藤 秀吉  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70528968)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード微小血管吻合 / 血栓 / 細菌感染 / 黄色ブドウ球菌 / 機序
研究実績の概要

遊離皮弁移植術は、臨床応用が開始されて50年程が経過しているが、血管吻合の成功率は未だ100%になっていない。血管吻合が不成功に終わる原因は、手技的な問題を除くと、血管吻合部の感染が挙げられる。本研究は、ラットの大腿動静脈で血管吻合を行い、細菌を吻合部に播種し血栓ができないか検討して、その機序を明らかにする。
吸入麻酔器が導入して、しっかりとした全身麻酔下で血管吻合部に直接ブドウ球菌を投与する方式とした。これにより、血管吻合部は閉塞して皮弁が壊死することまで確認でき、また、血管吻合を行っていない血管では血栓ができないことも確認できた。
さらに、腹部皮弁のモニターでは皮弁壊死の状態が時間とともに進行していくことから正確にいつ血管閉塞が起こるか皮弁をモニターにする方式では明確ではない。そこで、大腿動脈と大腿静脈を吻合直後にブドウ球菌を吻合部に播種し、1日ごとに吻合部を確認する方針に変更した。結果は静脈吻合部のみ吻合部血栓を翌日以降に認めた。ブドウ球菌の播種する時期を術後12時間後、24時間後に変更しても同じ結果であった。
静脈血栓ができる機序の解明のために、抗生剤の投与、ヘパリンの投与、プロスタンディンの投与により血栓形成が抑制できないか検討を行った。抗生剤の検討実験では、セファゾリンを体重kg当り30mgを腹腔内に投与する群(通常量)、体重kg当り60mgを腹腔内に投与する群(通常2倍量)、無投与群で比較を行った。抗生剤により血栓は予防できなった。ヘパリンの検討実験では、ヘパリン20単位/匹皮下注射を行った群と40単位/匹皮下注射を行った群を比較したが、ともに静脈血栓の予防はできなった。さらに、プロスタンディンの投与の検討実験では、パルクスTMをPGE1量として体重kg当り0.5μgを腹腔内投与した群と体重kg当り0.2μgを腹腔内投与した群で比較を行ったが、ともに静脈血栓の予防はできなった。

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公開日: 2021-01-27  

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