研究課題/領域番号 |
16K11381
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
松村 一 東京医科大学, 医学部, 教授 (80256263)
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研究分担者 |
小宮 貴子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00385105)
柴田 大 東京医科大学, 医学部, 助教 (00421008) [辞退]
井上 華 東京医科大学, 医学部, 講師 (20390700)
自見 庄太郎 東京医科大学, 医学部, 臨床研究医 (30773543)
渡辺 泰雄 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (60096279)
出雲 信夫 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (70368976)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脂肪注入 / rat / コラーゲンマトリックス / プロペントフィリン |
研究実績の概要 |
脂肪注入は形成外科の分野において、陥凹修正・乳房再建・四肢における瘢痕性癒着予防など、様々な分野で多用されている。しかし吸引した脂肪の生着率は不安定であり、本研究では生着率を高くすべく①血管床形成のためのコラーゲンマトリックス追加②陰圧を用いた移植部環境の改善③Pharmacologic preconditioningを用いた組織の虚血耐性の獲得、の3つを併用することで、より生着率の高い脂肪移植をめざす。 Sprague-Dawley rat (SDラット)を用いて上記研究を行う。ラットの鼠径脂肪を背部に移植し、生着を評価する。移植後7日・30日・90日の移植脂肪に対し、移植脂肪の柔らかさ、組織的評価、生理学的評価、体積評価を行い、①~③の負荷をかけた場合とかけなかった場合違い、負荷の有用性があるかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コントロール群としてのラットの脂肪移植モデル作成を行った。ラットの脂肪移植モデルについて記載されている論文を参考に行ったが生着が不安定であったため、脂肪採取と注入手技を工夫し、生着に至るまで繰り返し実験を行った。文献に従いSDラット200-250gにたいし、鼠径部の脂肪採取を行った。しかし、その月齢のラットでは性成熟期に達していないために脂肪量が乏しく十分は採取量が得られなかった。そこで、性成熟期をむかえ脂肪量が増えると見込まれた280g、300gのSDラットから脂肪採取したところ、鼠径より十分量の脂肪を確保する事ができた。 注入に関しては、過去の文献に基づき用手的に細分化した脂肪を18Gを用いて腰部に一塊に移植を試みたところ、オイルシストを形成し生着困難であった。そこで採取脂肪を洗浄・遠心分離・コールマン法に基づき背部に線状に18Gと12Gを用いて移植する方法に変更したところ、生着可能であった。 移植脂肪の評価として、柔らかさの評価(デジタルフォースゲージを用いる)、組織の評価と(H&E染色とVECF・CD31・Perillipinの免疫染色)、生理学的評価(Adiponectin・CD31・VEGF-A遺伝子発現量測定)を行った。現在その評価を検討している段階である。評価が妥当であればコントロールのラット脂肪移植モデルとその評価方法が確立できたことになる。 コントロール群の脂肪生着が文献に従わない結果を生じたこともあり、研究の遅れが出てしまった。
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今後の研究の推進方策 |
【今後の研究の推進方策】 平成29年度は、28年度に得られた実験手技と評価方法をもとに、①コラーゲンマトリックス添加群、②Pharmacologic preconditioningとしてpropentofyline添加の負荷実験を行う。添加する濃度としては、いずれも移植脂肪注入量の1%・5%・10%を計画しているが、確立した至適濃度を得るために、濃度の変更はありうる。 ①コラーゲンマトリックス添加実験において、生理学検査用および病理検査用のラット群として各濃度15匹ずつ作成し、各5匹ずつ術後7日・30日・90日の評価を行っていく。体積測定用のラット群として、各濃度5匹ずつ作成し、経時的に術後7日・30日・90日後の評価を行っていく。 ②propentofyline添加実験においても、①と同様に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入したい物品の値段が14536円を上回ってしまったため、来年度に持ち越して、来年の使用額と合算して購入しようと計画したため。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品の購入予定
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