研究課題/領域番号 |
16K11392
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村上 壮一 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80706573)
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研究分担者 |
澤村 淳 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (00241448)
大滝 純司 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20176910)
土佐 紀子 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20312415)
倉島 庸 北海道大学, 大学病院, 准教授 (40374350)
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
本間 宙 東京医科大学, 医学部, 講師 (60307353)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
伊澤 祥光 自治医科大学, 医学部, 助教 (90565699)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 一般外科医に必要な外傷診療技能 / 一般外科医の外傷診療コンピーテンス / 三位一体のDCSトレーニングコース / 外傷診療cadaverトレーニングコース / 外傷診療アニマルトレーニング / 地域病院の外傷診療実績 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、地域における重症外傷患者の救命率改善を目指した新規Damage Control Surgery (DCS)トレーニング開発を行うにあたり、外傷患者の都市部への集約を前提として、地域において重症外傷患者の初療にあたる一般外科医(外傷を専門としない外科医)が備えるべき外傷診療技能及び手術項目(必須項目)を選定すべく、全国117名のの外傷外科エキスパートにDelphi法による反復型アンケート調査を行い、コンセンサスとして34の項目を選定した。選定された項目は、気管挿管、骨髄輸液、輪状甲状靱帯切開、胸腔ドレーン留置、focused assessment with sonography for trauma (FAST)、骨盤非手術的外固定、総頸動脈・内頸静脈露出、胸部大動脈遮断、心嚢切開、開胸心臓マッサージ、心損傷修復、肺門遮断、外傷緊急開腹、腹腔内5点ガーゼパッキング、肝門部遮断、腸管損傷修復、腸管切離、腸管授動、腹腔動脈露出・遮断、下大静脈露出・修復、脾損傷修復、脾摘、腎損傷修復、腎臓摘出、骨盤腔ガーゼパッキング、Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aorta (REBOA) (Intra-Aortic Balloon Occlusion Catheter (IABO))、大腿動静脈露出、横隔膜修復、人工肛門造設、腹腔仮閉腹 (Open Abdomen Method)であった。 また動物を用いたトレーニングを1回、cadaverを用いたトレーニングを3回開催し、具体的なトレーニング手法の開発を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トレーニング項目策定の為のアンケート調査に予定以上の時間を要している。このためcadaver及びアニマルトレーニングの具体的トレーニング手法の開発を先行させる事により、最終的な研究目標への到達時期が遅れないよう調整を重ねている。なお、アンケートについてももっとも時間を要する反復型アンケートの実施が終了し項目が決定したため、おおよそあと2カ月で終了可能となり目処が付いた状況である。以上より、最終的な研究終了時期には変更がないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在北海道内の全一般外科医(およそ1,200名)を対象にした、外傷診療手技についてのコンピテンシー調査が進行中である。これにより選定された項目について、シミュレーター、cadaver、アニマル、のトレーニング手法のうちもっとも適切なもの、あるいは適切な組み合わせを選定し、これを組み合わせたトレーニングコースを開発、試験的な実施を行う。なお、トレーニング手法のうち特にシミュレータートレーニングについては、シミュレーターの購入、あるいは新たなシミュレーター開発は今回の予算では難しいと考えられ、今後の研究課題として資金獲得を目指す。また既存のトレーニングで代用可能である場合は、それを充てる事で今回の研究の暫定的な結果とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担研究者東京医科歯科大学 本間宙先生が今年度分担金を未使用のため。
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