研究実績の概要 |
先行研究期間:2015年11月-2016年11月,適格基準:心原性心停止蘇生後昏睡 (GCS 8未満)に対して治療目的体温管理 (深部温34℃,24-36hrs, or 平温36℃)が施行された群のうち発症72hrs以内にcEEGが得られた症例,退院時転帰 (CPC) に基づき2群に分類:CPC 1,2 (転帰良好), とCPC 3-5 (転帰不良)と定義した。72時間以内の最良のcEEG所見を脳波分類 (Markand ON ら)に基づいて5段階に分類(non-blind, 評価者:演者)し、CPC の分布を調査した。【結果】期間中の31例が対象になった。θ波以上の背景活動所見(EEG grade 1,2)が見られた症例の9/10で転帰良好であった。一方、δ波もしくはburst supression, または背景活動のないGPDsが見られた(EEG grade 3,4,5)21例中20例で転帰不良であった。当該年度の研究実績:心原性心停止後蘇生後脳症患者25例に持続脳波検査を行い患者家族に同意を得た。とくに大きな合併症は存在しておらず、順調に症例蓄積されている。脳波は搬入当日の超急性期から3日目まで目まぐるしく変化することが判明した。今年度は脳波背景活動の回復と瞳孔所見回復との関連を調査するために自動瞳孔測定器を導入した。この蘇生後脳症患者の脳幹反応の一部を定量化することが可能になる。
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