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2018 年度 実施状況報告書

メタボロミクスによる傷害肺のエネルギー代謝の包括的解明と治療応用に向けた基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K11414
研究機関横浜市立大学

研究代表者

太田 周平  横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (20381478)

研究分担者 東條 健太郎  横浜市立大学, 医学部, 助教 (80737552)
宮崎 智之  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30580724)
馬場 靖子  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (80453041) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2020-03-31
キーワードエネルギー代謝 / ARDS
研究実績の概要

前年度までの研究によって,LPS及び好中球によって傷害をうけた肺胞上皮細胞では解糖系の亢進が見られる一方,酸素消費量の低下が見られることから酸化的リン酸化が低下していることが明らかになった.
本年度はこの背景にあるメカニズムを明らかにするために,マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析を行った上で,それに対してpathway解析を行った.LPS+好中球による刺激後4時間,24時間のサンプルからRNAを抽出した上で,受託サービスを利用してマイクロアレイ解析を行った.4時間,24時間においてそれぞれ641個,1133個の発現変化のある遺伝子が抽出された.代謝経路に対する解析を行うために,KEGG pathwayに対するenrichment解析を行った結果,主に炎症に関わる遺伝子群の発現が見られたが,同時に低酸素誘導性因子経路に関わる遺伝子群が有意に変化していることが明らかになり,解糖系,酸化的リン酸化の変化の背景メカニズムであることが示唆された.
さらに,細胞死が進行してくる24時間後のみにおいて変化している遺伝子を抽出したところ,681個の遺伝子が変化していることが明らかになった.この遺伝子群に対して同様にenrichment解析を行った結果,中心代謝と関わりのある経路としてインスリン抵抗性経路に関与する遺伝子群に変化が見られることが明らかになった.傷害を受けた肺胞上皮細胞における遺伝子発現の変化はインスリンシグナルの伝達が抑制される方向に変化していた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マイクロアレイによるトランスクリプトーム解析によって代謝に関わるどのような経路に変化が見られるのか明らかにすることができたが,それに対する介入による代謝変化や傷害へ与える影響を検討するところまで至らなかった.

今後の研究の推進方策

今後,インスリン抵抗性シグナル経路に注目し,インスリンシグナルの抑制や増強によってどのような代謝変化が見られるのか,また傷害にどのような影響が与えられるのか検討を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

次年度以降に変化の見られたインスリン抵抗性シグナルに注目した代謝評価,細胞傷害に与える影響の評価を行う方針としたため次年度使用額が生じた.

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公開日: 2019-12-27  

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