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2016 年度 実施状況報告書

保存期腎不全における分子状水素による血圧制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K11420
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

鈴木 昌  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70265916)

研究分担者 佐野 元昭  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30265798)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード慢性腎不全 / 高血圧 / 分子状水素 / 水素ガス
研究実績の概要

末期腎不全患者の維持透析に電気分解で生じた水素を含有する透析液を用いたところ、透析後に血圧が有意に降下したと報告されているが、水素の作用機序は解明されていない。また水素が維持透析患者だけでなく、保存期慢性腎臓病患者の高血圧治療に有効であるかは明らかではない。我々は、腎の求心性交感神経の活性化に続く中枢性交感神経の活性化や、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)と中枢性交感神経系の活性との相互影響に着目した。Microsurgeryを用い、一期的にラット慢性腎不全モデルを作成し、水素ガスの吸入による循環動態への影響を検討した。無麻酔下でのTail cuff法を用いた血圧測定では水素ガス吸入群において心拍数が少ない傾向を認めたが、血圧変化は評価が困難であったため、テレメトリーシステムを導入した。現在、自由行動下での血行動態データを蓄積・解析中である。水素吸入群(1.3%水素+21%酸素+77.7%窒素)の吸入4週間後の血中レニン活性、アンギオテンシンⅡ、およびアルドステロンは、コントロール群(21%酸素+79%窒素)と比較して有意な低下を認めた。また尿中ノルエピネフリン量は水素吸入群で低下した一方で、尿中ナトリウム排泄量はコントロール群に比して増加を認めた。今後、テレメトリーデータの圧波形解析を通じて、水素ガス吸入に伴う中枢性交感神経および迷走神経活性の変化につき解析を進める計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物モデルの作成から水素ガス吸入の効果を観察するまでに一定の時間を要し、かつテレメトリーシステムを用いて一度に観察できる動物数に限りがあるため、当初の計画以上に進展できないが、概ね計画通りに研究は進んでいる。

今後の研究の推進方策

テレメトリーシステムを用いて水素ガス吸入による血圧の制御機構の検討を進める。また腎不全モデル以外の高血圧モデルにおける血圧制御機構の普遍性についても検討を行う計画である。

次年度使用額が生じた理由

未使用額の発生は効率的な物品調達、および他資金での動物購入の結果である。

次年度使用額の使用計画

消耗品の購入および成果発表に関わる火よに有効活用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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