研究課題/領域番号 |
16K11427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
日野 博文 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (70308500)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / グリコカリックス / シンデカン1 / 血管透過性 |
研究成果の概要 |
妊娠高血圧症候群(PIH)モデルでは有意に観血的動脈圧上昇、VEGFR1上昇、アルブミン尿、胎児死亡率上昇を認め、PIHの臨床病態と近似することが示された。 PIH群では大脳、腎糸球体ともにGcx層の破綻が示された。また、腎糸球体では抗凝固薬の投与はGcx改善効果を示す一方、大脳では効果がなかった。またGcx層の主構造であるシンデカン1は有意に低下したが 両抗凝固薬とも改善効果を認めなかった。PIHで尿中アルブミン量増加、Evans Blue 染色による腎糸球体血管透過性亢進を有意に認める一方、両凝固薬は血管透過性亢進に対して改善を示さなかった。
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自由記述の分野 |
集中治療医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠高血圧症候群(PIH)の臨床像に非常に近似した動物モデルが確立されたこと、ならびに現在まで他の疾患において報告されてきたglycocalyxの破綻がPIHモデルにおいても生じていることが初めて確認されたことは非常に大きな意義がある。また、この変化は臓器において変化しており、水分の血管透過性に関して毛細血管種類によることが判明し、今後のPIH治療に対して新たな研究方向性が示されたことは有意義であると考えられる。今回の結果により我々が現在まで示してきた抗凝固薬のPIHへの改善効果が血管透過性へは及ばないことが判明したことはPIHの病態研究において有意義であると考えられる。
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