研究課題/領域番号 |
16K11434
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
真弓 俊彦 産業医科大学, 医学部, 教授 (90281071)
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研究分担者 |
松田 晋哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (50181730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 急性膵炎 / 前向き症例集積 / 多施設研究 / 抗凝固薬 / DPC |
研究実績の概要 |
1. 単一項目による重症度判定マーカーの検討:日本全国の研究協力施設を募り、多施設研究を開始した。急性膵炎を対象に、診断日と翌日、また、感染が疑われた場合には、その日とその翌日に採血を行った。これらの検体を用いてIL-6、プロカルシトニン(PCT)、High Mobility Group Box 1(HMGB-1)、soluble CD14 subtype(sCD14ST)の測定を開始した。また、急性膵炎の重症度を厚生労働省重症度判定基準、およびAtlanta分類での重症度判定、SOFA score、死亡の有無などで評価し、データを蓄積中である。今後、これらのマーカーによって、重症度をどのように予測可能であるかを検討していく。
2.新規治療法の検討:我々は以前より種々の疾患において全国のDiagnosis Procedure Combination (DPC)データを用いた解析を行ってきた。急性膵炎においてrecombinant Thrombomodulin (TM)やAntithrombin(AT)などの抗凝固薬の重症急性膵炎に対する効果を、DPCデータを用いて検討することが可能かについて検討してきた。
3. 前向き症例集積研究:All Japanで多数の施設との共同で急性膵炎症例の集積を行い、種々の治療法の有効性を評価を行うこととした。この前向き症例集積研究のため、登録システムを立ち上げ、登録項目を協議した後、参加施設の募集を開始し、キックオフミーティングも開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各研究課題に関して、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1. 単一項目による重症度判定マーカーの検討:IL-6、PCT、HMGB-1、sCD14STの測定を進め、各施設の臨床データを集積する。場合によっては、各施設へ赴きデータ収集を行う。その後、各種マーカーが重症度をどのように予測可能であるかを検討していく。
2.新規治療法の検討:TMやATなどの抗凝固薬の重症急性膵炎に対する効果を、全国の急性膵炎のDPCデータを抽出し、検討する。また、可能であれば、それ以外の治療法の有効性についてもDPCデータを用いて検討する。
3. 前向き症例集積研究:All Japanで多数の施設との共同で急性膵炎症例の集積を進める。さらに多数の施設の参加を促すとともに、参加施設との会合を開催し、研究の改良点を定期的に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額であるが、本年度使用できなかった費用があるため、次年度の検体測定費用に使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
検体測定等の費用が若干安く支出できたため。
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