(研究目的と計画)扁平上皮の正常な分化と組織構造の維持にはNOTCH1による制御が重要であり、その破綻が腫瘍、特に前癌病変の直接の原因であるという作業仮説の検証のために、Notch1の機能欠失をきたすノックアウト(KO)マウスと、Notch1の発現が常に維持されるトランスジェニック(Tg)マウスを作成し、前癌病変の発症を含む表現型解析を行う。 平成29年度は、Notch1の発現が常に維持されるTgマウスと上皮特異的Notch1 KOマウスの表現型を解析した。ニトロキンの飲水投与による腫瘍誘発実験を行い、口腔と食道の腫瘍発生の状態を経時的に、陰性コントロール群と比較解析した。組織標本を作製し、組織学的変化を解析するとともに、細胞増殖や分化に関連した因子の発現を免疫組織学的に解析した。また、組織切片からゲノムDNAを抽出し、マウスの癌関連遺伝子パネルを用いて次世代シーケンサー解析を行い、Notch1以外の遺伝子の変異を調べた。
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