研究課題/領域番号 |
16K11455
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10311929)
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研究分担者 |
中富 満城 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90291616)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Tas1r1 / 転写 / Klf5 / プロモーター |
研究実績の概要 |
これまでの研究により、筋芽細胞株C2C12細胞においてマウスTas1r1遺伝子のプロモーター領域中のGTボックスに転写因子Klf5が結合し,転写を正に調節することを明らかにしている.そこで本研究では、ゲノム編集法によりC2C12における、Klf5遺伝子のノックアウトクローンを作成し、Tas1r1遺伝子の転写調節におけるKlf5の機能を調べた。 ゲノム編集法の一つである、CRISPR-Cas9システム(pX459 ver2)を用いて、2つのKlf5遺伝子ノックアウトクローン(KO1, KO2)を作成した。これらのクローンから核タンパク質を抽出し、Klf5を対象としてウエスタンブロッティングを行った。その結果、両クローンにおいては、Klf5が著しく減少していることが明らかになった。次に、リアルタイムPCR法により、KO1、KO2におけるTas1r1遺伝子発現量の定量を行った。その結果KO1、KO2においては、野生株と比較しそれぞれ79%、52%の発現量の減少が認められた。さらに、これらのクローンにおいて、Klf5のみがTas1r1遺伝子発現量の減少に関与しているかを確認するために、Klf5の過剰発現下でのTas1r1遺伝子の発現量の変化を調べた。その結果、KO1、KO2においてKlf5発現量の増加により、それぞれ2.6倍、2.5倍のTas1r1遺伝子の転写量の増加が認められた。この結果から、KO1、KO2におけるTas1r1遺伝子発現量の減少は、Klf5の減少によるものだと確認された。 以上のKlf5遺伝子のノックアウトクローンの解析結果から、Klf5は筋芽細胞株C2C12細胞においてTas1r1遺伝子の転写の活性化に働いていることが明らかになった。
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