研究課題/領域番号 |
16K11459
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
入江 太朗 昭和大学, 歯学部, 准教授 (00317570)
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研究分担者 |
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 講師 (20453649)
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 助教 (40710166)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
深田 俊幸 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70373363)
福島 美和子 昭和大学, 歯学部, 助教 (90548273)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 唾液腺腫瘍 / 腫瘍モデルマウス / 腫瘍組織発生 / コンディショナルトランスジェニックマウス |
研究実績の概要 |
本年度は CreER/Plag1fl/+マウスの作成を行った。その結果、Sox9-CreER マウスやMyh11-CreマウスとPlag1 flox マウスとの交配により、Sox9-CreER/Plag1fl/+マウスと、Myh11-Cre/ Plag1fl/+マウスが完成し、前者についてはtamoxifenの投与も完了し、腫瘍発生の経過観察を継続している段階となっている。作成されたCreER/Plag1fl/+マウスがtamoxifenにより設計された挙動を示しうるのかについてin vivoでの検討を行った。Sox9-CreER/Plag1fl/+マウスについては、生後23日目までに6回tamoxifenを投与し、22週目に屠殺したものと、同じ群で屠殺前1週間前までに再度のtamoxifenの6回の投与を行ったものの顎下腺と舌下腺を解析したところ、形態学的には正常と比べ大きな変化はみられないものの、後者の群において唾液腺内にGFP陽性細胞がより多く認められた。さらに作成されたPlag1fl/+マウスとPlag1fl/flマウスがCreにより遺伝子再構成を起こしうるのかについてin vitroの系を用いて検討を行った。71系統のPlag1fl/flホモマウスと46系統のPlag1fl/+マウスの顎下腺を摘出し、collagenase , hyarulonidaseやdispaseで細胞懸濁液とした後初代培養を行った。両系統の初代培養細胞株にアデノウイルスによりCAG-Creを発現させ、24時間後にGFPの発現とReal-time PCRにてPLAG1遺伝子の発現量を解析した。その結果、アデノウイルス感染群は未感染群に比べ、30倍から80倍近くのPLAG1遺伝子の過剰発現が確認された。これらより、作成されたPlag1 flox マウスは設計通りに機能するものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CAG-Creマウスとの交配により、まず作成されたCAG-Z-EGFP-PLAG1 flox Tgマウスの腫瘍組織発生誘導能の有無を確定したいと交配を進めていたが、CAG-Creマウスとの自然交配が長期間全く成立せず、体外受精を行うことによりようやく達成できたが、これにより想定外の時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はCreER/Plag1fl/+マウスの作成(Sox9-CreER/Plag1fl/+マウスとMyh11-Cre/Plag1fl/+マウス)が完成し腫瘍発生の経過観察を継続している段階となっているが、腫瘍の発生はまだ確認できていない。CAG-CreERマウスとCreER/Plag1fl/+マウスの交配については自然交配では全く旨くいかず、体外受精により漸く成功するに至った。現在、CAG-CreER/CreER/Plag1fl/+マウスとPlag1fl/flマウスの交配を進めており、CAG-CreER/CreER/Plag1fl/flマウスが得られた可能性のある世代まで完成しつつある段階となっている。このCAG-CreER/CreER/Plag1fl/flマウスへのtamoxifen投与により唾液腺腫瘍が誘導されることを明らかにする。また、これまでにtamoxifen投与まで完了し経過観察を行っているSox9-CreER/Plag1fl/+マウスとSox9-CreER/Plag1fl/+マウスについても、このまま腫瘍が誘導されない可能性を考慮し、floxのアレルをホモ化したSox9-CreER/Plag1fl/flマウスとSox9-CreER/Plag1fl/flマウスの作成を既に行っており、数匹それらが完成した状態となっているため、これらへのtamoxifen投与による経過観察も同時に進める。 また、今年度レンチウイルスを用いて再作成したPLAG1遺伝子定常安定過剰発現唾液腺培養細胞3系統とControl vectorをtransfectionさせた唾液腺培養細胞株3系統(腺房細胞由来の培養細胞株NS-SV-AC、導管上皮由来の培養細胞株NS-SV-DCと筋上皮由来の培養細胞株NS-SV-MC)のin vivoにおける造腫瘍性の違いの有無を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はCreER/Plag1fl/+マウスの作成(Sox9-CreER/Plag1fl/+マウスとMyh11-Cre/Plag1fl/+マウス)が完成し腫瘍発生の経過観察を継続している段階となっているが、腫瘍の発生はまだ確認できていないため、その解析に要する費用が掛からなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
CAG-CreERマウスとCreER/Plag1fl/+マウスの交配については自然交配では全く旨くいかず、体外受精により漸く成功するに至った。現在、CAG-CreER/CreER/Plag1fl/+マウスとPlag1fl/flマウスの交配を進めており、CAG-CreER/CreER/Plag1fl/flマウスがまもなく完成する。このマウスへのtamoxifen投与により誘導された唾液腺腫瘍の解析に繰越金を使用する。
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