研究課題
本年度もPlag1時期・部位特異的過剰発現floxマウスとSOX9、Keratin14、Myh11やCAGのプロモーター下流にCreないしCreER遺伝子を有するマウスとの交配を進めた。CreないしCreER導入遺伝子とPlag1時期・部位特異的過剰発現導入遺伝子の両者を併せ持ち、後者の導入遺伝子をヘテロで有するマウスが得られた。それらのマウスについてはtamoxifenを投与後、約半年ほど経過をみているが未だ唾液腺に有意な変化は生じていない状況である。このため、CreないしCreER導入遺伝子とPlag1時期・部位特異的過剰発現導入遺伝子の両者を併せ持ち、後者の導入遺伝子をホモで有するマウスの作製を同時並行でおこないSOX9-CreER;Tg(CAG-Plag1, -EGFP)fl/fl, CAG-CreER;Tg(CAG-Plag1, -EGFP)fl/fl, Keratin14-Cre;Tg(CAG-Plag1, -EGFP)fl/flの3種類のホモ系統Tgマウスを作製した。昨年9月に昭和大学から岩手医科大学に教授として赴任したため、昭和大学で作製したTgマウスを岩手医科大学動物研究センターに移動することが必要となった。上記で作製した3種類のホモ系統のマウスについては体外受精を経てのSPF室搬入が必要となったために、再度ホモ系統を再作製を要する状況となっている。In vitroのPlag1遺伝子によるヒト唾液腺細胞株における役割についての検討では、レンチウイルスベクターを用いてPlag1遺伝子定常過剰発現ヒト唾液腺細胞株(3種類)が概ね完成し、現在それらの細胞の機能解析を進めているところである。
3: やや遅れている
昨年9月に昭和大学から岩手医科大学に赴任し、こちらでの組換えDNA実験審査、動物実験実施審査や昭和大学から岩手医科大学へのマウスの引っ越し等に予定外の時間を要したため。
レンチウイルスを用いて再作製したPlag1遺伝子定常安定過剰発現唾液腺培養細胞3系統のin vitroにおける機能解析とin vivoにおける造腫瘍性の差異について検討をすすめる。また、本研究課題として使用しているPlag1 flox (Tg(CAG-Plag1, -EGFP) マウスについてもさらに系統数を増やすことに挑む。
本年度は昭和大学から岩手医科大学への赴任があったため、赴任先の実験室の立ち上げ等に予定外の時間を費やし一部の解析に要する消耗品購入に遅延が生じたため。次年度使用額については、翌年度のTgマウス作製・維持やPLAG1遺伝子定常安定過剰発現唾液腺培養細胞株のin vitroの機能解析あるいはin vivoの造腫瘍性評価に使用する。
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Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 114 ページ: 12243-12246
10.1073/pnas.1710726114.