研究課題
昨年度Plag1時期・部位特異的過剰発現floxマウスとSOX9あるいはCAGのプロモーター下流にCreER遺伝子を有するマウスとの交配により誕生したSOX9-CreERT2;Tg(Plag1)1fl/flとCAG-CreERT2;Tg(Plag1)3fl/-)においてtamoxifen投与後に昭和大学から岩手医科大学に移送し、長期経過観察を行っていたが、これらの群については腫瘍の発生は確認できなかった。我々が作成したPlag1過剰発現floxマウスにおいてトランス遺伝子のゲノム挿入位置やコピー数が腫瘍組織発生の効率に悪影響を与えている可能性を考慮し、PLAG1遺伝子をノックインするコンストラクトをCRISPR-Cas9法を用いてROSA26領域に挿入した遺伝子改変マウスの作製を開始した。また、PLAG1遺伝子の正常唾液腺細胞における機能的役割を明らかにするためにヒト正常唾液腺腺房細胞株(NS-SV-AC)、-導管細胞株(NS-SV-DC)と -筋上皮細胞株(NS-SV-MC)にPLAG1遺伝子を導入しその影響について検討を行った。PLAG1遺伝子の導入はいずれの細胞の形態にも影響を与えなかったが、NS-SV-ACとNS-SV-MCの増殖を抑制した。NS-SV-DCの増殖にはPLAG1遺伝子の影響はみられなかった。さらにPLAG1遺伝子過剰発現によりいずれの細胞においてもコロニー形成能の亢進が認められた。PLAG1遺伝子は正常唾液腺組織においては細胞種によりその働きが異なる可能性が明らかとなった。現在新たに作製中のROSA26領域にPLAG1遺伝子のノックインコンストラクトを挿入した遺伝子改変マウスにおいて、ある特定の細胞特異的に唾液腺腫瘍を誘導する場合には使用するCreマウスの検討が重要と考えられる。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Nature Communications
巻: 9 ページ: 4216
10.1038/s41467-018-06469-7
J Oral Maxillofac Surg Med Pathol.
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