口腔領域おいて、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染と扁平上皮癌などの病変との関連が示唆されている。HPVの感染には不明な点が多く、感染様式、感染頻度、感染HPVの型を解析する必要がある。我が国では、子宮頸癌予防のためのHPVワクチン等、女性への情報は広まりつつあるが、口腔癌、中咽頭癌などは、男性の感染対策も必要である。 我々はモンゴル国での医療援助活動に同行し、同意の得られた約1,390名分の口腔粘膜試料を採取し、専門医による粘膜疾患の有無と種類の確認、飲酒や喫煙等の生活習慣や口腔衛生状態等の調査を行った。我々が改良した感度の高い検出法を用い、疫学情報との統合的な解析を進めている。
|