研究課題/領域番号 |
16K11469
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
|
研究分担者 |
真下 千穂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80368159)
王 宝禮 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 口腔細菌 / 硝酸還元 |
研究実績の概要 |
ヒトの口腔には,唾液中に含まれる硝酸イオンを還元し,亜硝酸イオンや一酸化窒素を生成する細菌群(硝酸還元菌)が常在している.本研究は,口腔内硝酸還元活性の「個人差」に着目し,被験者毎の活性差と口腔菌叢を横断的かつ経時的に解析することで,口腔の硝酸還元活性を支える菌叢の解明を目指すものである.二年目は,NOxメーターと次世代シークエンス法を併用して,硝酸還元活性の変動と口腔内菌叢変化のデータ蓄積を試みた. (1)口腔内硝酸還元活性の変動の測定 他グループの報告と我々の先行研究より,口腔内の硝酸還元活性に個人差が存在し,短期的にそれらが安定に維持されることが明らかとなってきた.このことは,各個人の口腔菌叢において,硝酸還元菌の種類あるいは量(比率)に個人差が存在することを示唆している.今年度は,被験者に5 mM硝酸カリウム溶液20 mLを口に含んでもらい,3分間で生じた亜硝酸イオン濃度を液体クロマトグラフィー(ENO-30,エイコム社)で計測した.10名の被験者の口腔硝酸還元活性の変化をモニターしているところである. (2)次世代シークエンシングによる菌叢解析 大阪歯科大学医の倫理委員会の承認のもと,上記の硝酸還元活性を測定しているインフォームドコンセントを得た歯周組織健常者の口腔各部位より滅菌綿棒でプラークを採取した.DNA抽出の後,16S rRNA配列をもとに次世代シークエンサーMiSeq(イルミナ社)を用いてサンプル中の菌叢を解析している.現在,30サンプルのデータ蓄積を完了している. 今後,結果がまとまり次第,学会と論文発表を行う予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多少の実験の前後はあるが,おおむね当初の計画通りに実験が進捗している.
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度に得られた結果をもとに,次の研究を進める.1.口腔内硝酸還元活性の変動を引き続き計測する.2.次世代シークエンシングによる菌叢解析を継続して行う.3.高い硝酸還元活性をもつ菌の分離を進める.4.これまでの研究成果を取りまとめ,国内外の学会に発表し,さらに学術論文にまとめて発表する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 次世代シークエンサーMiSeqの使用開始が遅れ,支払いが平成30年度となった.研究自体は順調に進んでいる. (使用計画) 次世代シークエンサーMiSeqの使用による支出に使用する予定である.
|