研究分担者 |
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30322233)
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10457228)
池亀 美華 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70282986)
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研究実績の概要 |
メラトニンが軟骨細胞の代謝に関与していることを示唆する以下の結果を得た。 1. 軟骨組織を含む他臓器の多くにメラトニン受容体MT-1, MT-2が発現していた。2. 暗黒下で培養された初代軟骨細胞でMT-1, MT-2遺伝子は概日リズムを持った発現変動をする。3. メラトニン生合成の律速酵素遺伝子であるAANAT mRNAが軟骨組織でも発現しており、MT-1, MT-2 mRNAと同調した概日リズムで発現していた。4. メラトニンを初代培養軟骨細胞に添加すると、細胞増殖が促進された。5. メラトニンを初代培養軟骨細胞に添加し、数日培養すると、Col2a1, Aggrecan, Sox9 mRNAの発現が増加するが、一方で肥大マーカーであるCol10a1 mRNAの発現は減少した。6. メラトニンの培養軟骨細胞に対する効果は、レセプターの阻害剤であるルジンドールの添加で阻害された。7. メラトニンを初代培養軟骨細胞に添加し、継時的にRNAを回収すると比較的早い時間にAANAT, MT-1, MT-2, PTHrP mRNAの発現が誘導され、さらに引き続いてSox9, IGF-1, Ihhの発現が誘導された。また、概日リズムの制御転写調節因子であるBmal1 mRNAの発現が誘導され、一方でPer1 mRNAの発現は抑制された。 これらの結果は、軟骨細胞が自律的にメラトニンを概日リズムを持ちながら合成し、MT-1, MT-2レセプターを介して細胞内に情報を伝達し、おそらく部分的には軟骨細胞の概日リズムを制御しているとの報告のあるPTHrP-IHHの経路を介して軟骨細胞の増殖を促進し、分化を抑制していることを示していると考えられる。
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