研究課題/領域番号 |
16K11477
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 良憲 九州大学, 歯学研究院, 講師 (80582717)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / ヒト乳歯歯髄幹細胞 |
研究実績の概要 |
神経障害性疼痛は障害が改善した後も慢性的な疼痛に悩まされる疾患である。既存の鎮痛薬では十分な効果が得られないことから新たな治療法および治療薬が必要とされている。本研究ではヒト乳歯歯髄幹細胞に由来する因子を単回投与することでマウスの神経障害性疼痛を治療できることを見出している。そこで、歯髄幹細胞由来の鎮痛因子の物質同定を本研究の目的としている。 鎮痛物質の同定に差し当たり、歯髄幹細胞由来の候補物質は数千にのぼることが考えられる。これまでは歯髄幹細胞由来の粗分画を用いての治療効果の解析であったため、研究に用いる動物は少数で行うことができた。しかし、膨大な候補物質となるとそれに伴い必要な動物数も膨大になってしまう。これを打開するためにin vitroで神経障害性疼痛を評価できる方法を開発する必要があった。 我々は神経障害性疼痛時に一次求心性神経の神経節(DRG)で発現誘導される因子Aを見出し、この誘導に関わる受容体Bおよびその内因性リガンドBを見出した。そこで因子Aのプロモーターとルシフェラーゼを結合させたプラスミドを作製し、in vitroでの神経障害性疼痛モデルを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経障害性疼痛のin vitroでの評価系を樹立し、網羅的にスクリーニングできる系を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作製したプラスミドを培養DRGにトランスフェクションさせ、リガンドBにより誘発されるプロモーター活性に対してどのような候補物質が抑制効果を示すか解析を行う。また、これらで得られた候補物質を実際にモデル動物に投与し、鎮痛効果が得られるか否か検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度はcreマウスを作製することを計画していたが、ウイルスベクターにより代用する方法をとったために、金銭的に余剰分が発生した。これは次年度分の繰り越し金とした。
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