研究課題/領域番号 |
16K11480
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
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研究分担者 |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
西下 一久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20237697) [辞退]
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10311846) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | osteoclast / Keap1 / Nrf2 / NFATc1 |
研究実績の概要 |
Keap1 遺伝子欠損マウス由来細胞を用いて分化実験を行ったところ、破骨細胞への分化が著しく抑制されていた。Keap1は、生体内において酸化ストレスを制御する転写因子Nrf2の活性化を抑制するアダプター分子なので、Keap1遺伝子欠損によってNrf2は恒常的に活性化する。この恒常的なNrf2の活性化が破骨細胞分化を負に制御していることを Keap1/Nrf2ダブルノックアウトマウスの細胞で証明した。さらに、Nrf2の活性化を介した破骨細胞分化抑制作用は、破骨細胞分化に重要な転写因子であるNFATc1の発現が抑えられたことによるものであること、および NFATc1の抑制分子の発現が上昇したことによるものであることを明らかにした。同じく破骨細胞分化に重要な転写因子である NF-κBの発現は、NFATc1ほど変化しなかった。一方、天然物由来化合物であるルテカルピンとジヒドロアルテミシニンに破骨細胞分化抑制作用があることを明らかにしたが、これらの化合物はNFATc1の発現を抑制したものの、Nrf2の活性化を誘導するものではなかった。また、Nrf2活性化作用を持つことが知られている2つの化合物の破骨細胞分化抑制効果が、Nrf2に依存したものであることを、Nrf2ノックアウトマウス由来細胞で証明した。その他、長崎大学創薬研究センターより提供していただいた960種類の合成化合物および天然物由来成分のうち、非常に低濃度で破骨細胞分化抑制効果を持つものや、Nrf2を活性化するものが見つかった。病態モデルマウスへの天然物由来成分の投与と病態の解析を行った。
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