臨床現場で頻用されている第3世代ビスホスホネートは、強力な骨量増加作用をもつためにきわめて有用であるが、顎骨壊死・非定型大腿骨骨折などの重大な副作用が報告されている。本研究で新規開発を目指したMPMBPは抗酸化性側鎖をもつビスホスホネートであることから、NF-kappaB核移行抑制を介した骨芽細胞活性化により骨密度を上昇させるだけでなく、酸化ストレス軽減による骨質改善作用が認められた。すなわち、みずみずしく、しなやかな骨が形成されることが予想され、糖尿病や慢性腎不全患者にみられるような脆弱性骨折リスクをも減少させる全く新しいタイプの骨代謝疾患治療薬として臨床応用できる可能性が示唆された。
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