研究実績の概要 |
Niイオン結合性樹状細胞の解析:皮膚所属リンパ節における樹状細胞(DC)のNiイオン結合能を、金属イオン蛍光プローブであるNewport Green(NPG)を用いて解析した。その結果、MHC class II hi, CD11c intである遊走性(migratory)DCにおいて、Niイオン結合能が認められた。これに対し、MHC class II int, CD11c hiである常在性(resident)DCでは、Niイオン結合能は認められなかった。また、Ni結合性DCのサブセットについて詳細に解析した結果、cDC1(XCR1+)およびcDC2(XCR1-, EpCAM-, CD11b+)のいずれにおいてもNiイオン結合能が認められ、cDC1でNiイオン結合能が強い傾向が認められた。これに対し、ランゲルハンス細胞(XCR1-, EpCAM+)ではNiイオン結合能が弱かった。さらに、その他のリンパ節におけるNiイオン結合性DCを解析した結果、顎下リンパ節では、皮膚所属リンパ節と同様に、migratory DCに強いNiイオン結合能が認められた。これに対し、腸間膜および腸骨リンパ節のmigratory DCではNiイオン結合能が弱かった。 Niイオン結合性DCのNiイオン刺激応答性:皮膚所属リンパ節から精製したDCをNiイオン存在下で刺激培養し、各種炎症性サイトカイン発現を解析した。その結果、Ni刺激によりIL-1βおよびIL-6 mRNA発現の誘導が認められた。 Niイオン結合性DCの抗原提示能:Niイオン結合性DCに抗原提示能があるかどうか、即ち、Niイオン結合性DCによりNiアレルギーが誘導されるかどうかについて、マウスモデルを用いたin vivo解析を行っている。
|