研究課題
拡散尖度MRI(DKI)は拡散強調MRI(DWI)の比較的新しい解析法として知られ、生体組織における構造を反映するともいわれる。DKIより得られる各パラメータは 組織におけるみかけの拡散係数(D)とみかけの拡散尖度(K)であり、定量値として算出することができる。本年度においては、科学計算ソフトmatlabを用いて作成した拡散尖度MRI解析プログラムについてカスタマイズを行い、 各パラメータマップ(D-mapおよびK-map)を撮像された拡散強調MR画像の全スライスについて自動作成およびエクスポートを可能とした。本解析プログラムは他のDKI有用性に関する研究(基盤研究 (C)課題番号15K09915), QSIとDTIを用いた高分解能MRマイクロイメージングに関する研究」(研究代表:山田一郎))に使用され、良好な結果が得られた。その研究成果は学術英語論文(Yamada I et al. Oral carcinoma: clinical evaluation using diffusion kurtosis imaging and its correlation with histopathologic findings. Magn Reson Imaging 2018;51:69-78.)として報告された。当該研究では拡散強調MR画像を撮像された口腔癌患者の既存MRIデータより口腔癌原発巣についてこれらのパラメータとリンパ節転移との関連性について評価することを目的としていた。現在、DKIプログラムによる解析を行っている。その方法として、以前の手法である確率密度関数を用いて求めるパラメータと上記作成されたマップ上でのROIにより求めるパラメータのいずれが精度が良いかも検討項目とした。一般的に口腔癌の術後における再発や転移は術後2年間に多く生じることが知られ、症例の蓄積および各例における経過を得るため、その経過観察中である。レトロスペクティブ研究として本学歯学部倫理審査委員会への研究許可申請をし、解析を行う。
3: やや遅れている
解析法はすでに確立しており、他の研究において利用され、おおむね良好な結果が得られ、その研究成果は報告されている。しかしながら、対象となりうる症例数についてはやや少数であり、現段階においても蓄積中である。
対象となりうる症例数およびその術後経過について把握し、レトロスペクティブ研究として本学歯学部倫理審査委員会への研究許可申請を行い、承認後解析を始める。最終年度でもあることから、本年8月頃をもって区切りとし、その研究成果について、学会発表,論文投稿を行なう予定とする。
英文校正に使用する予定としていたが、年度内での使用期限に間に合わなかった。そのため、次年度での使用予定とする。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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