研究分担者 |
杉田 義昭 城西大学, 薬学部, 教授 (20255029)
友村 美根子 明海大学, 総合教育センター, 教授 (30217559)
杉本 昌弘 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任准教授 (30458963)
須永 克佳 城西大学, 薬学部, 准教授 (70236040)
高尾 浩一 城西大学, 薬学部, 助教 (70337484)
植沢 芳広 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (90322528)
|
研究実績の概要 |
新規3-スチリルクロモン誘導体の副作用を検討するために、ヒト口腔正常細胞、すなわち、口腔粘膜上皮細胞(HOK)および歯肉上皮前駆細胞(HGEP)に対する傷害性を、代表的な抗癌剤と比較検討した。トポイソメラーゼ1阻害薬(CPT、SN-38)、トポイソメラーゼII阻害薬(DXR, DNR)、微小管阻害薬(DOC)、チロシンキナーゼ阻害薬(Gefitinib)などの抗癌剤は、ヒト口腔間葉系細胞(歯肉線維芽細胞, 歯根膜線維芽細胞、歯髄細胞)と比較してヒト口腔扁平上皮癌細胞(歯肉由来Ca9-22, 舌由来HSC-2, HSC-3, HSC-4)に対して強い細胞傷害活性、すなわち、高い腫瘍選択性を示した(TS=>1853,>997,70, 55,>2708,4)。しかし、これらの抗がん剤は、いずれも正常ヒト口腔上皮系細胞(HOK、HGEP)に対して強い傷害性を示すことが見いだされ、腫瘍選択性は低下した(TS=>33, <12, 2, <2. >2,4, 0.2)。一方、新規3-スチリルクロモン誘導体は、高いTS値を示した(>200)。代表的な抗癌剤のDXRは、HOK細胞にアポトーシス(微絨膜の消失、クロマチンの凝集、カスパーゼの活性化)を誘導した。 3-styryl-2H-chromenes誘導体誘導体のうち、クロメン環の7位の位置にメトキシ基、スチリル部フェニル基の4位に塩素を置換した誘導体[12]は高い腫瘍選択性を示した(TS=57.6)。 16種の3-benzylidenechromanone誘導体の細胞傷害活性と腫瘍選択性のQSAR解析を行ったところ、クロマノン環の7位のメトキシ基、ベンゼン環の4'の水酸基あるいはメトキシ基を有する化合物は、ドキソルビシンや5-FUを凌ぐ、高いTS値を示した。分子形、大きさ、極性が腫瘍選択性に関与していた。
|