研究分担者 |
杉田 義昭 城西大学, 薬学部, 教授 (20255029)
友村 美根子 明海大学, 総合教育センター, 教授 (30217559)
杉本 昌弘 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (30458963)
須永 克佳 城西大学, 薬学部, 准教授 (70236040)
高尾 浩一 城西大学, 薬学部, 准教授 (70337484)
植沢 芳広 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90322528)
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研究実績の概要 |
クロモン環を有する誘導体の中からヒト口腔扁平上皮癌細胞を選択的に傷害する物質の探索およびQSAR解析を行った。12種類のフロ[2,3-b]クロモン誘導体の中では、 フェニルエチル基およびメトキシ基を有する4種の化合物が高い腫瘍選択性を示したが、口腔癌細胞にアポトーシスを誘導しなかった。腫瘍選択性と分子内不飽和結合数、分子の柔軟性、密度、脂溶性、サイズと形状との間に相関がみられた。20種類のピラノ[4,3-b]クロモン類(10対のジアステレオマー)の中では8-クロロ-4,4a-ジヒドロ-3-メオキシ-3-メチル-3H,10H-ピラノ[4,3-b][1]ベンソピラン-10-オンと3-エトキシ-4,4a-ジヒドロ-8-メトキシ-3H,10H-ピラノ[4,3-b][1]ベンゾピラン-10-オン が最大級の腫瘍選択性を示した。前者はcytostaticな増殖抑制を示し、正常口腔ケラチノサイトに対する毒性は、ドキソルビシンよりも弱かった。腫瘍選択性と3D構造、極性、イオン化ポテンシャルとの間に相関がみられた。15種類の2-(N-サイクリックアミノクロモン誘導体の腫瘍選択性は、分子の形状、特に、3D構造と強い相関を示した。最大活性を示す7-メトキシ-2-(4-モルホリル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン は口腔癌細胞にアポトーシスを誘導しなかった。15種類の3-(N-サイクリックアミノクロモン誘導体の腫瘍選択性は、3D構造と脂溶性と相関した。最大活性を示した3-(4-フェニル-1-ピペラジニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン (3a) は、口腔癌細胞にアポトーシスを誘導をしなかったが、DXRよりもケラチノサイト毒性が弱かった。 以上の結果は、クロモン誘導体の腫瘍選択性には、分子の形状が関与し、アポトーシス誘導能と相関しないことを示唆する。
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