研究課題/領域番号 |
16K11522
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
荒木 和之 昭和大学, 歯学部, 教授 (50184271)
|
研究分担者 |
小林 馨 鶴見大学, 歯学部, 教授 (50139614)
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科, 講師 (80302157)
倉林 亨 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60178093)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 歯科用コーンビームCT / 物理的評価 / 空間分解能 / CBCT / ファントム / 視覚評価 / 濃度直線性 |
研究実績の概要 |
平成29年度までに、歯科用コーンビームCT(CBCT)装置、3D Accuitomo 80 (Morita, Kyoto, Japan)、Veraviewepocs 3Df (Morita, Kyoto ,Japan)、CS9300 (Carestream,USA)で、既存のファントム(ヨーロッパのガイドラインに比較的準拠したSEDENTEXCT のIQ ファントムと歯科医学会プロジェクト研究で作製した歯科放射線学会所有のファントム)を撮影し歯科用コーンビームCT装置の特性を比較した。これを元に、既存ファントムの不足点や改良点を吟味した。その結果ファントムの材質が骨に近い方が良いと考えられ、人工ハイドロキシアパタイトを用いて新たなファントムを作成し計測をおこなった。ファントムの濃度は気孔なし(緻密体)、気孔30%、気孔50%、気孔85%の4種類とした。解像度を決定するためのファントムはそれぞれの濃度のハイドロオキシアパタイトに直径0.8mm、1.0mm、1.25mmの穴があいているものを作成した。グレイ値直線性を見るためのファントムは前述の4種の気孔率で均一なものを作成した。これを2種のCBCT装置で撮影した。その結果、解像度は2種で異なることが明瞭に観察された。グレイ値の直線性は1機種では比較的良好で会ったが、もう1機種ではやや不良であった。この結果を中間報告としてH30年度の国際歯科学会総会(ロンドン)で発表した。しかしながら、ハイドロオキシアパタイトは機械的安定性が低く破損しやすいことが実験操作中に明らかになった。特に小さな直径の穴で計測する解像度の測定には不向きなため、別の材質を検討した。その結果CT値が骨に近いテフロンが適切であるとわかり、これを使って解像度の測定用ファントムを作成した。また、ImageJを用いて客観的評価方法を作成している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画と比較すると、解像度の測定用ファントムを再製作したためその分研究の進行が少し遅れている。ただ、すでに新しいファントムを用いて2機種の歯科用コーンビームCTで測定をおこなっておりその結果は順調であった。またImageJを用いての半自動測定方法もまとまってきた。H31年度にこれをまとめ学会にて公開する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
ここまでわずかに遅れている程度なので、H31年度は研究データの最終的なまとめと公開を考え、下記の点に重点を置いて研究を推進する。 (1)測定用プログラムの作成:作成した特製ファントムに対応するように作成したImageJのマクロVisual Basic for Application of Excelの画像解析および計算処理処理プログラムのバグフィックス・ブラッシュアップをおこなう。 (2)特製ファントムによる画質測定と品質管理:特製ファントムによるこれまでの測定結果をまとめ、ファントムの有用性を明らかにする。 (3)成果をフィラデルフィアで開催される国際歯顎顔面歯科放射線会議にて発表する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
H30年度の研究実施はわずかに予定より遅れた。そのため当初H30年度に予定していた結果の公開をH31(R1)年度におこなう。すなわちH31(R1)年度は最終的な結果のまとめと学会で報告(公開)をする。これらのために繰り越した資金を利用する。
|