本研究で年齢、性別による舌骨の上下、垂直、回転の程度の検討を行ったが、年齢が上がるにつれて、男女ともに同様に舌骨が後方、回転する傾向にあることが明らかにできた。上下的には男性は20代でも舌骨が下方に認められること、加齢に伴い、舌骨はさらに下方に位置していることを明らかにできた。舌骨が下方にあることで、飲込みの際の喉頭蓋を動かすタイミングがずれるためにむせが生じやすくなることが推測されるが、この変化は男性にとくに生じやすいことを推測する結果となった。以上の結果から、口腔機能の脆弱化のなかで、舌骨の位置に関連して生じる問題点については男性のほうが早期に対応すべきであると推察される。
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