超高齢社会を迎えるわが国では、歯周疾患の罹患率の上昇と重症度のより高い患者の増加が見込まれる。病気の進行は歯の喪失に繋がるため、食生活の著しい低下を招く。長年にわたり、ある種の細菌と歯周疾患に関する研究が行われてきたが、未だに病因ははっきりしていない。最近、患部には細菌のみならず多くのEBウイルス(EBV)が存在することがわかってきた。EBVによる歯周疾患発症のメカニズムに関する研究は、新たな診断基準の基となる病因論の解明と新規治療法の開発に繋がることが期待される。また、EBVが関与するがんや潰瘍性大腸炎など他の重要な疾患の研究に新たな情報を提示できる可能性もある。
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