研究課題/領域番号 |
16K11536
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (40136510)
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研究分担者 |
香川 豊宏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (00258592)
三輪 邦弘 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (10136509)
筑井 朋子 (白石朋子) 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (80580472)
吉田 祥子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 医員 (90780635)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 頸部転移リンパ節 / 超音波検査 |
研究実績の概要 |
これまでの研究および昨年の研究結果で得た超音波ドプラ画像における口腔偏平上皮癌からの頸部リンパ節転移診断のためのリンパ節内部血流所見を定量化した診断基準(リンパ節内部の血流係数、散在性係数)および超音波Bモード画像におけるリンパ節内部性状および形態的特徴を数値化した定量的診断基準を新たに作成して、2013年から2016年の3年間で超音波検査を行い、頸部リンパ節の病理組織学的検査が行われた症例を対象として、その超音波画像の定量的診断基準の検証のための分析を行った。なお、超音波Bモード画像上のリンパ節の内部性状の数値化は、輝度の強度及びばらつき度を指標とし、リンパ節の形態的特徴は短径、長径及び長短経比を指標とした。他にhilum描出の有無を指標とした。現在、分析結果の統計的処理を行なっているところである。 さらに、悪性リンパ腫と炎症腫大リンパ節との鑑別のために、超音波ドプラ画像におけるリンパ節内部の血流分布を定量化した血流係数と散在性係数を用いて鑑別能の分析を行った。悪性リンパ腫の方が散在性係数が大きくなる傾向にあり、これらは有用な鑑別のための指標であることが示唆された。 頸部リンパ節のCT所見については、造影後のCT値のピクセル単位での分布の計測を行い、そのヒストグラムの解析を行っているところであり、診断基準作成までには至っていない。 MRIにおいても、頸部リンパ節の信号強度およびADC値の測定を行い、統計処理中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頸部リンパ節転移の超音波診断のための定量的診断基準のプロトタイプを作成し、その診断能について検証を行ったが、その有用性についての統計学的裏ずけに苦慮しているとともに、本プロトタイプの診断基準では、満足いく診断能とはならない可能性があり、新たな指標を考案する必要性があり、予定の研究進捗状況よりやや遅れている。 CTおよびMRI画像の解析はCT値、信号強強度、ADC値の測定後の統計的分析中であり、診断基準作成までには至っておらず、研究の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
超音波所見、CT所見、MRI所見の分析結果の統計処理の遅れについては、本学園の医療統計学の専門家の助言を得て早急な解析を行う予定である。また、新たな診断基準のための指標については、超音波どプラ画像においては、リンパ節内部の血管走行の蛇行性の数値化や超音波Bモード画像においては、輝度強度の分布の偏り等の指標を新たに加えていく事を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況がやや遅れているために、より高度な統計処理を行うためのデーターの集積および基礎的統計処理解析が十分に行えなかったために、高度な統計処理ソフトの購入を行わなかったことによるとともに、研究成果の発表回数が少なかったことによる。
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