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2017 年度 実施状況報告書

生体内でレジン上に歯周組織形成を実現!~接着治療法の予知性向上を目指して~

研究課題

研究課題/領域番号 16K11538
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 佐織  北海道大学, 大学病院, 講師 (90344522)

研究分担者 宮治 裕史  北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
田中 享  北海道大学, 大学病院, 講師 (90179771)
西田 絵利香  北海道大学, 大学病院, 医員 (50779882)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードレーザー援用バイオミネラリゼーション法 / 歯周組織再生 / レジン / 骨類似アパタイト / 生理活性物質 / 垂直歯根破折接着治療法
研究実績の概要

これまでの基礎的研究により、レジン表面を改変し、レジン上に歯周組織再生の可能性があることを見出した。この可能性を、①ナノ構造を有し、②ラミニンなどの生理活性物質を添加することが可能で、③生体内において長期間に亙って生理活性を維持させることができる骨類似アパタイトによりレジン表面をコーティングし、さらに生理活性物質を複合化させることによって、レジン上への歯周組織再生を実現することを目的として行われた.
28年度は、CR表面へのCaPの析出について,CRの種類とレーザー波長を変えて検討した.レーザー援用バイオミメティック法(LAB法)によりCR表面にCaPを析出させることができ、波長532nmのVISレーザー照射が355nmのUVレーザー照射よりも効果的であることを報告した.
29年度は、LAB処理後のCR表面を分析するとともに,擬似体液(SBF)テストによるアパタイト形成能を調べることで,処理面の骨結合能について検討した.CRはBeautifil flow plus(色調A3;松風)を用い,直径6mm,厚さ1mmの円柱型枠にCRを流し込み,表面をポリエステルストリップスにて圧接しながら光重合してディスク状試料を作製した.試料をCaP過飽和溶液(5mL)中に浸漬し,Nd:YAGレーザー(30Hz)の第2高調波(532nm,VIS光)を集光せずに,4W/cm2で30分照射した(LAB処理).照射後,試料表面をSEM 観察し, EDX分析を行った.またアパタイト形成能を評価するためにレーザー照射後の試料をSBF(pH=7.4)中に37℃で3日間浸漬し,その表面をSEM観察した.レーザー照射後のCR表面に,マイクロスケールの板状結晶よりなるCaP析出物の形成が認められた.処理後の試料をSBFに浸漬すると,析出物上に緻密なアパタイト層が形成され、骨結合能を有すると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

レーザー照射後の試料を擬似体液(SBF)(pH=7.4)中に37℃で3日間浸漬し,その表面をSEM観察し、レーザー照射後のCR表面に,マイクロスケールの板状結晶よりなるCaP析出物の形成が認められた.処理後の試料をSBFに浸漬すると,析出物上に緻密なアパタイト層が形成された.レジン表面を改変することで、骨結合能を有すると考えられ、歯周組織再生の可能性が高まった.
しかし,生理活性物質複合化については、現段階では、想定する成果が得られていない.

今後の研究の推進方策

今後も生理活性物質複合化の検討を行う。
評価時の細胞数調整を検討すれば、想定する成果が得られる予定である.
予測する結果が得られない場合は、改変後の表面にこれまでも応用しているエムドゲイン、線維芽細胞成長因子の応用を検討する

次年度使用額が生じた理由

経費の節約により生じた未使用額94272円については、今年度の論文校正及び発表旅費に使用する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Antibacterial and cytotoxic effects of photoexcited Au clusters via blue high-power or white low-power light-emitting diode irradiation2017

    • 著者名/発表者名
      S Miyata, H Miyaji, H Kawasaki, E Nishida, K Shitomi, T Akasaka, S Tanaka, T Iizuka, T Sugaya
    • 雑誌名

      Biology, Engineering and Medicine

      巻: 2 ページ: 1-4

    • DOI

      10.15761/BEM.1000126

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] レーザー援用バイオミメティック法によるレジン表面の改変とアパタイト形成能評価2017

    • 著者名/発表者名
      田中佐織,宮治裕史,西田絵利香,A. Joseph NATHANAEL,中村真紀,大矢根綾子, 田中 享,飯田俊二,高師則行,井上 哲
    • 学会等名
      第10回日本総合歯科学会 新潟大学 駅南キャンパスときめいと(新潟県新潟市)
  • [備考] 北海道大学大学院歯学研究院歯周歯内療法学教室ホームページ

    • URL

      https://www.den.hokudai.ac.jp/hozon2/perio.html

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公開日: 2018-12-17  

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