研究課題/領域番号 |
16K11541
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30361702)
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研究分担者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
島田 康史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60282761) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯学 / エナメル質 / 再石灰化 / 白斑 / OCT |
研究実績の概要 |
White spot(白斑)には、エナメル質初期う蝕(う蝕原生)以外に、形成不全などう蝕との関連性のないう蝕非原生も存在する。過去の関連研究では、それらの区分けなく、再石灰化促進剤の再石灰化効果のみ比較検討されてきた傾向にある。このため、再石灰化化能な白斑の病態や特性に関しては不明である。 そこで本臨床研究では、再石灰化促進剤をカルシウムおよびフッ化物配合シュガーレスガムに限定し、再石灰化可能な白斑の病態について比較検討を試みる。すなわち、ICDAS(International Caries Detection and Assessment System:視診によりう蝕を8段階にスコア化する診断方法)ならびにOCT(OpticalCoherence Tomography:光干渉断層計)を用いて、う蝕原生およびう蝕非原生白斑の再石灰化能(う蝕、脱灰形態、脱灰深さとの関連性)について検討する。 今年度までに目標症例(30症例)を集積し、ICDASスコアデータならびにOCT画像データの評価作業を終え比較検討を試みた。その結果、全白斑は、う蝕原生が59.5%、非う蝕原生が16.5%、両者の混合型が24.0%に分類された。ICDASコードは、う蝕原生・非う蝕原生間で有意差を認めた。 また、再石灰化の程度を示す回復率では、0M・3M間の比較においてう蝕原生が他の群と比較して有意に高い値を示した。さらに、白斑の発症要因によりガム摂取前の脱灰形態に違いが認められ、脱灰が深く、広範囲に及ぶ白斑では再石灰化が困難な傾向を示した。 以上より,各種白斑の再石灰化傾向は、その発症要因により異なり、う蝕原生が最も高い再石灰化傾向を示した。 なお、上記データに基づき海外歯科専門雑誌において論文報告を行った。
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