研究課題/領域番号 |
16K11548
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 幹代 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (30523089)
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研究分担者 |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教授 (50116000)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 難治性根尖性歯周炎 / シーケンス解析 / バイオフィルム |
研究実績の概要 |
大阪大学歯学部附属病院を受診し、根管治療が必要と診断された外来患者に対してインフォームドコンセントを行い、33名の患者から本研究への参加に対する同意を得た。非難治性根尖性歯周炎症例のうち、根尖部透過像を認めない症例(10症例)および根尖部透過像を認めた症例(8症例)の根管内削片、唾液、ならびに歯肉縁下プラークを採取した。根管治療で治癒せず、外科処置に至った難治性根尖性歯周炎症例(16症例)のうち、3症例で根管内削片、根尖孔外バイオフィルム、唾液、ならびに歯肉縁下プラークを、13症例で根尖孔外バイオフィルム、唾液、ならびに歯肉縁下プラークを採取した。各試料中の細菌DNAを抽出し、構成細菌を次世代シーケンサーを用いて、16S rRNA遺伝子のV1-V2領域を標的としたシーケンス解析に供し、その構成細菌を網羅的に同定した。 各試料の解析結果には個体差が認められたが、それらの平均値を算出することにより一定の傾向が認められた。 非難治性根尖性歯周炎症例のうち、根尖部透過像を認めない症例の根管内試料では、Firmicutes門が全体の約51%、Actinobacteria門が全体の約25%を占め、根尖部透過像を認めた症例の根管内試料では、Firmicutes門が全体の約38%、Actinobacteria門が全体の約25%、Bacteroidetes門が17.6%を占めた。また、難治性根尖性歯周炎症例の根尖孔外バイオフィルム試料ではProteobacteria門が全体の約25%、Bacteroidetes門が全体の約21%、Actinobacteria門およびFirmicutes門が全体の約20%を占めた。一方、唾液および歯肉縁下プラーク試料では、非難治性根尖性歯周炎症例患者と難治性根尖性歯周炎患者間で大きな相違は認められなかった。
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