研究課題/領域番号 |
16K11549
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 一弘 岡山大学, 大学病院, 講師 (20549860)
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研究分担者 |
中山 真彰 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10579105)
高柴 正悟 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
萬代 大樹 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60534427)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歯周・歯内疾患 / 低分子化合物 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,申請者の研究グループが着目する抗炎症性低分子化合物terreinの炎症性骨吸収疾患(特に歯内・歯周疾患)に対する治療薬としての可能性を検討することである。 超高齢化社会を迎えた我が国において,食生活を司る口腔機能を維持することは健康寿命を延伸する上で必須である。そのためにも,成年~高齢期における歯の喪失の主な原因となる根尖性歯周炎および歯周病の効率的な治療・予防法を開発することが望まれる。申請者らは,有機化学的に合成したterreinに抗炎症作用(炎症性サイトカインinterleukin-6のシグナル伝達抑制)があることを報告した。本研究では,抗炎症効果が期待できる低分子化合物terreinおよびその新規類縁体の細胞内ターゲット分子を解明して,歯内・歯周疾患のin vivoモデルにおける抗炎症効果を検討する。そして,炎症性骨吸収を主病態とする根尖性歯周炎および歯周病の新たな治療法開発につながるエビデンスを構築することを目的とする。 本年度の研究成果として,①有機合成実験において,新規類縁体の作成に成功,リンカーを付与した類縁体の作成にほぼ成功,②in vitro実験系において,terreinのターゲット分子の一つとしてJAK1の可能性を示唆,③in vivo実験系として,歯周炎マウスモデルにおけるterreinの抗炎症効果を予備的検討段階で確認した。今後は引き続きterreinの抗炎症効果の詳細なメカニズムを検討するとともに,実用化を視野にいれて研究を進めていく。さらに,新規類縁体の効果を検討し,オリジナルに比較してより効果の強い合成物を確認できれば,知財申請を含めさらに検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有機合成系,in vitro実験系,in vivo実験系ともに計画通りに実験が進捗しており,概ね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
計画している有機合成系,in vitro実験系,in vivo実験系ともに,現状の状況を維持しつつ計画した内容を引き続き実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の中山が予定していた分子生物学的実験のおいて,予定していた金額よりも少ない額で実施できたため残金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
予定している分子生物学的実験の消耗品購入に計上させていただき,適正執行する予定である。
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