研究課題
DSPP (Dentin sialophosphoprotein) と Dentin Matrix protein-1 (DMP-1) は歯髄・象牙質に多量に存在し、DSPPの開裂C側タンパク質DPP (Dentin phosphoprotein 別名PP: Phosphophoryn) は高度にリン酸化されたSer-Aspの繰り返し配列を持ち、この繰り返し配列は歯を持つすべての動物のDPPに見られることから、DPPは歯牙硬組織形成に必須であると考えられている。DMP-1の開裂C側タンパク質C-DMP-1とDPPはインテグリン結合配列RGD (Arg-Gly-Asp) を持つが、C-DMP-1のRGDのみが細胞刺激活性を有する。本研究ではDPPおよびC-DMP-1の各活性部位をハイブリッドさせた人工組み換えタンパク質(以下rDPP -DMP-1-RGDと表記する)を作製し、その硬組織形成能をin vivo実験モデルで評価し、将来的な臨床応用の可能性を探求することを目的としていた。本研究計画においては多量の組み換えタンパク質を得るためにDPP内のSer-Aspの繰り返し配列を63.5%欠失させたrDPP並びにrDPP -DMP-1-RGDを利用した。陰イオンクロマトグラフィーで精製したrDPPをコートした培養皿にはMG63細胞は接着しなかったが、同様に作製したrDPP -DMP-1-RGDをコートした培養皿では著明な細胞接着を認めた。このことからDPPはDMP-1型のRGDを持つことで細胞接着能を獲得することが明らかとなった。さらに、これらrDPPまたはrDPP -DMP-1-RGD含有ハイドロキシアパタイト担体にヒト間葉系幹細胞を浸漬させ、ヌードマウスに皮下移植した。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Journal of Oral Biosciences
巻: In press ページ: In press
http://dx.doi.org/10.1016/j.job.2016.08.002
Biochem Biophys Rep.
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10.1016/j.bbrep.2016.04.004