研究課題/領域番号 |
16K11577
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10253460)
|
研究分担者 |
廣藤 卓雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10189897)
谷口 奈央 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60372885)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 混合感染 |
研究実績の概要 |
辺縁性歯周炎の発症・増悪には複数の細菌の混合感染が重要な役割をはたしていると考えられている。そして臨床研究の結果、P. gingivalis、T. forsythiaは歯周局所に共存すると歯周炎が重症化しやすいことが報告されている。また、根尖性歯周炎でも混合感染が症状を悪化させ、治療を困難にしていると考えられる。 我々は混合感染におけるP. gingivalis とT. forsythia の病原性を調べるため、マウス皮下に細菌懸濁液を接種し、形成される膿瘍の大きさを調べた(Yoneda et al. J Periodontal Res. 38 :237-243)。その結果P. gingivalis接種時は大きな膿瘍が形成され、T. forsythiaを接種すると小さな膿瘍が形成された。次に両細菌を混合して接種すると、形成される膿瘍の大きさが両菌を単独で感染させた時に形成される膿瘍の大きさの和よりも大きくなった。 さらにわれわれはin vitro でT. forsythiaがP. gingivalisの増殖を促進することを明らかにした。 また、界面機能性ガラス(S-PRG)がP. gingivalis とFusobacterium nucleatum の共凝集を抑制することを明らかにした。この知見は混合感染の抑制につながると考えている。 今後はP. gingivalis とT. forsythia の混合感染による病原性増強のメカニズムを明らかにするためにT. forsythiaからS-layer等 の成分を抽出し、P. gingivalis の増殖促進に関わる因子を同定する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
T. forsythiaの培養に時間がかかり、S-layer の精製が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
P. gingivalisのgingipain、T. forsythiaのS-layer、どちらが、あるいは両方が相乗的病原性増強にかかわっているか検討する。相乗的病原性増強に関与するメカニズムを検討する。P. gingivalisのgingipainによって生体防御が障害されるか検討する。P. gingivalisのgingipainやT. forsythiaのS-layerが共凝集に関与しているか検討する。 T. forsythia S-layerがP. gingivalisの増殖を促進しているか、またP. gingivalisのgingipainが増殖促進に必要か検討する。マウスのT. forsythiaに対する免疫応答がP. gingivalisのgingipainの影響を受けるか検討する。混合感染によって組織破壊の範囲が広がるか検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験がやや遅れており、消耗品の購入が少なかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
実験が進むにつれ、必要な消耗品を購入予定。
|