研究実績の概要 |
歯には常に咬合力などのメカニカルストレスが加わり、歯髄にも影響して象牙芽細胞に伝達される。覆髄法や生活歯髄切断法などは歯髄保護を目的として象牙質を形成させる方法であるが、メカニカルストレスがこれらの施術後の修復象牙質形成にどのように影響するのか、どの様なメカニズムによるかなどについては不明な点が多い。そこで、本研究では ①象牙質・歯髄複合体におけるメカノセンサーの発現と機能について明らかにする。② メカノストレス下で象牙質の石灰化機構を解明することを目的とする。本研究成果は、メカノストレスがどの様なメカニズムで象牙芽細胞を刺激し、石灰化を起こすのかを解明する端緒隣学術的意義は大きい。また、メカノセンサーのアンタゴニストやアゴニストを標的とした象牙質誘導能を有する修復材の創出のための基盤構築を図ることとなる。 本年度は咬合が確立する8週齢のラット第一大臼歯に実験的露髄面を作成し、直接覆髄剤を塗布し、グラスアイオノマーセメントで仮封して、0, 3, 9週経過後のデンティンブリッジ形成を観察する予定で、実体顕微鏡、カメラ等の準備を整えた。
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