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2016 年度 実施状況報告書

歯髄細胞の幹細胞化を応用した新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K11600
研究機関徳島大学

研究代表者

宮城 麻友  徳島大学, 病院, 助教 (20625719)

研究分担者 井上 美穂  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (20271059)
松香 芳三  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90243477)
大野 充昭  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードTNF-α / 歯髄細胞 / 幹細胞化
研究実績の概要

申請者が発見した歯髄細胞に対するTNF-αのリプログラミング効果(幹細胞化)の作用メカニズムを解明し,歯髄細胞のリプログラミングに関与している因子を同定することを目的としている.
まず,歯髄細胞を取り扱うための研究環境の整備を行った.
次に,実験に同意の得られた患者から提供を受けた抜去歯牙の歯髄から,Gronthosらの方法に準じて歯髄細胞の分離・培養を行った.得られた歯髄細胞がこれまでと同様に培養できること,TNF-α(10ng/ml)による刺激を加えても培養・増殖などに問題がないことを確認した.
続いて,歯髄細胞においてTNF-α刺激により誘導されるシグナル経路を明らかにするため,抗体アレイ法を用いた解析を行った.TNF-αのシグナル経路に関与する因子を45種類選択,配置したメンブレンを作製した.その後,歯髄細胞を培養して,TNF-α(10ng/ml)で刺激した歯髄細胞と無処理の歯髄細胞からそれぞれタンパク質を回収し,抗体アレイ実験を行った.サンプル溶液中にメンブレンを浸してインキュベートすると,メンブレンに配置された各抗体と相互作用のあるタンパク質が複合体を形成することにより捕捉される.メンブレンを洗浄後,酵素標識抗体ミックスとインキュベートし,洗浄後,酵素反応 (化学発光) させることでタンパク質の検出を行った.TNF-αにより刺激した歯髄細胞から得られたタンパク質から,p38MAPK,TRAF1,Caspase3,SODD,RIP,TNFR1,JNK1,2,3,IκB-αが検出された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は研究環境の整備や,実験に使用する歯髄細胞の採取・培養・保存に時間を費やした.また,抗体アレイ法を用いたシグナル経路の検討を行ったが,結果が不安定であり,実験条件の調整に想定外に時間がかかった.

今後の研究の推進方策

TNF-αにより刺激した歯髄細胞から得られたタンパク質から,p38MAPK,TRAF1,Caspase3,SODD,RIP,TNFR1,JNK1,2,3,IκB-αが検出された.しかしながら,無処理の歯髄細胞から得られたタンパク質と比較した場合の,TNF-α刺激による各因子の発現の増減に関しては,結果が不安定であり確定は得られなかった.
今後の推進方策としては,Western blotting法を用いて各因子の発現の増減を確認すると共に,シグナル経路の促進剤・阻害剤を作用させたシグナル経路の制御を試みる.
加えて,マウス露髄モデルを用いて,シグナル経路の制御が修復象牙質形成に与える影響についても組織学的に観察・検討したいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

今年度は研究環境の整備や,実験に使用する歯髄細胞の採取・培養・保存に時間を費やしたため,今年度内に購入・使用予定であった試薬などが購入できていないことが理由である.

次年度使用額の使用計画

引き続き培養細胞を用いた分子生物学実験のために培養関連の試薬,消耗品およびリコンビナントタンパクを購入する.また,同定された因子の動物への効果を検討するため免疫不全マウスの購入も予定している.加えて国内の学会に参加して最新の知見を得るとともに積極的な成果発表を行うための旅費としても使用を予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 炎症環境による歯髄細胞の幹細胞化―歯髄細胞分化に与えるTNF-αの影響―2016

    • 著者名/発表者名
      上枝麻友
    • 学会等名
      日本顎口腔機能学会第56 回学術大会
    • 発表場所
      東洋大学川越キャンパス (埼玉県川越市)
    • 年月日
      2016-04-24 – 2016-04-24

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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