ビスフォスフォネート(BP)製剤投与中の骨粗鬆症治療患者に対し,歯科治療を発端とするMRONJが大きな問題となっている.我々は骨代謝と全身の糖代謝の関連性に着目し,糖尿病治療薬を用いてBP製剤による抜歯後の顎骨治癒遅延に対する効果を明らかにすることを目的とした.抜歯後を行った顎骨の3次元的構造評価では実験群において抜歯窩の有意な治癒改善を認めた.さらに壊死骨面積の評価をしたところ,実験群が有意に低い値を示した.以上より,抜歯やインプラント治療におけるMRONJ発症のリスクを薬物療法でコントロールできる可能性が示唆された.
|