平成30年度では、蓄積した歯列データおよびクラウンデータから、以下の内容を行った。1)歯科用CAD/CAMシステムによるクラウンの作成:歯科用CAD/CAMシステムを用いて切削加工でクラウンを製作した。2)3Dプリンターによるクラウンの作成:切削加工だけでなく、将来的な可能性を確認するために3Dプリンターによるクラウンの作成を行った。加工条件を変化させて、クラウンの面性状や適合精度など実用面での検討も行った。3)歯列データからマウスガードを製作した。 現状では、歯冠形状データあるいは支台歯データをマニュアルで設計しているが、最終的に歯冠形状データから支台歯データをCADで円滑に設計するためには、歯冠データを一定の厚さをカットバックできるようなCADソフトの構築が必要であり、そのための検討も行う。将来的には、テンポラリークラウンやテンポラリーブリッジの製作を行うためにも必要である。 小児歯科領域における口腔内スキャナーの有用性の検討も行った。複数の口腔内スキャナーでの計測を行い、バンズの大きさ、形状、計測スピード、計測精度の比較を行い、それぞれの有効性の確認や計測データを蓄積した。 また、最終的な補綴物を想定したレジンブロックの特性に関する研究も行った。新たなレジンブロックや接着性レジンセメント、プライマーが開発されているので、同様な実験を行い、前年度の接着試験でのデータと比較を行った。また、レジンブロックの切削加工に対する特性を検討するために、セラミック系材料においても切削加工試験を行い、比較検討した。
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