研究課題/領域番号 |
16K11614
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
高山 慈子 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (30175939)
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研究分担者 |
大久保 力廣 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10223760)
笛木 賢治 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30334436)
新保 秀仁 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40514401)
高橋 裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (50154878)
栗原 大介 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70535773)
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90186669)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ノンメタルクラスプデンチャー / マルチセンターリサーチ / クロスオーバー試験 / コホート研究 / 客観的臨床評価 / 臨床エビデンス |
研究実績の概要 |
今年度は,ノンメタルクラスプデンチャーの治療効果と術後経過を明らかにするために,北海道医療大学,東京医科歯科大学,福岡歯科大学,鶴見大学の計4施設合同で非ランダム化前向き介入研究を実施し,ガイドラインの策定に資する臨床エビデンスを集積し,適応症や設計指針を明示することを目的として研究を遂行した.研究方法についての役割は昨年度すでに4施設で取り決めを行っており,クロスオーバー試験に関しては本学が単独で行い,コホート研究は4施設で行うこととなっている.鶴見大学歯学部倫理審査委員会より承認が得られているため,本学においては被験者の募集を開始している.クロスオーバー試験においては,2名の被験者が研究に参加の同意が得られた.クロスオーバー試験は,まず被験者2名で研究を開始した.調査方法は,旧義歯調整後,レジン床義歯あるいはノンメタルクラスプデンチャー装着3カ月後に口腔内診査・歯周組織検査(動揺度,ポケットの深さ,GI, CAL),咀嚼機能試験,専用のアンケート用紙を用いたアンケート調査,義歯の設計の記載および口腔内・義歯の写真撮影である.また,コホート研究においては,義歯装着時より3年間とする.調査方法は4施設で取り決めたノンメタルクラスプデンチャーの装着時(義歯調整終了後),6カ月後,1年後,1年半後,2年後,2年半後,3年後に来院していただき,口腔内診査および歯周組織検査,義歯の設計を図示(義歯製作時),使用するノンメタルクラスプデンチャーの材料,義歯の色調や粗さの測定,アンケートへの記入である.本学においてはコホート研究に同意を得られた被験者が今年度はいなかったため行えなかった. コホート研究に関しては,研究分担者に対して各大学の倫理審査委員会から承認が得られ後直ちに行っていただくように要請している. 本学においては引き続き被験者の募集を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在,北海道医療大学,東京医科歯科大学,福岡歯科大学,鶴見大学の4施設での役割分担や研究方法については綿密な打ち合わせはすでに終わっている.しかし,本学における倫理審査委員会の承認が遅れたことにより各大学における倫理審査委員会の承認が遅れ,コホート研究の遂行が遅れている. なお,本学においては倫理審査委員会の承認が得られたため,現在クロスオーバー試験においては2名に実施しているが,コホート研究と合わせて研究の参加に同意していただける被験者を引き続き募集中である.
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今後の研究の推進方策 |
本学において,ノンメタルクラスプデンチャーに関するクロスオーバー試験とコホート研究については,倫理審査委員会の承認が得られているが,現在クロスオーバー試験に関しては2名の被験者にしか行われていない.研究環境は十分整っているため研究に同意していただける被験者を募集中である.また,他大学におけるコホート研究は本学の倫理審査委員会の承認が得られていることから各大学の倫理審査の承認が得られる日は近いと考えている.そのため,各大学の倫理審査委員会の承認が得られればコホート研究は推進するものと考えている. また,臨床研究に平行して,ノンメタルクラスプデンチャー 用の材料の中から,ポリアミド系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリエステル系樹脂により製作したレジンクラスプの長期使用を可能とする設計法を確立するための基礎研究も行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに倫理審査委員会からの承認が得られており,本学においてクロスオーバー試験とコホート研究への参加に同意してくれる被験者を募集しているが,参加に同意してくれる被験者数が少ないことから,研究に使用する消耗品であるクロスオーバー試験においては,ノンメタルクラスプデンチャーの技工料金,咀嚼機能試験で使用するグルコース含有グミ「グルコラム」と咀嚼機能検査キットのろ過セット,コホート研究では表面粗さの測定に使用するブルーシリコーンおよび表面粗さの測定は本学で測定するため各大学から本学へ郵送する送料が使用できていないため,次年度に使用額が生じた. 次年度は,本学においては倫理審査委員会からの承認が得られていることから,クロスオーバー試験とコホート研究への参加に同意してくれる被験者の募集をさらに積極的に行い,研究に使用する消耗品を購入する予定である.他大学においては各大学の倫理審査委員会による倫理審査の承認が得られたあかつきには,コホート研究が推進し,表面粗さの資料が本学に郵送されてくる予定であるため送料として使用する.合わせて長期使用可能な設計法の確立を目指した基礎研究で使用する材料費として使用する. また,ノンメタルクラスプデンチャーに関する研究はまだ始まったばかりの所もあるため,他者の研究に乗り遅れないように最新の情報を学会参加にて得るために使用する予定である.
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